家を売却しようと考えたとき、家の中にある不用品や家財道具はどうすればいいか悩みますよね。
片付けをスムーズに終わらせられるかは、片付けの手順と不用品の仕分け・処分にかかっています。
しかし、片付けたくても、何から手を付けたら良いのか分からず、挫折してしまう人が意外と多く、片付けが一向に進まないケースは珍しくありません。
そこで今回は、家を売る際に、荷物を片付ける最適なタイミングや効果的な処分方法をまとめてみました。
さらに、片付けと合わせて探しておくと得する税金対策も説明していますので、参考にしてみてください。
アイさん
たかの
もくじ
家を売却するには荷物の片付けが必要な3つの理由
家を売る際には、家具を全て処分して室内を空っぽにしておくことが基本です。
道具を処分せずに「家財道具つき」として売ることもできますが、査定時にマイナス評価されることが多く、また写真の写りが悪くなるため、家を売却したい場合はまず家具の処分を検討しましょう。
片付けが億劫に感じられる方も少なくありませんが、家の売却をスムーズに行うためにも片付けが必要な3つの理由を確認しておきましょう。
- 片付けが不十分な家は売却査定時にマイナスに評価される
- 写真の写りが良くなり反響が見込める
- 内覧時に好印象を与えられる
片付けが不十分な家は売却査定時にマイナスに評価される
査定の際は、不動産会社の担当者が実際に訪問して査定します。
荷物が多く散らかっていると、担当者に好印象を与えられないため、査定額を低くされてしまう可能性があります。
不動産会社に高く評価してもらうことは、納得のいく条件で家を売却するために大切なポイントです。
写真写りが良くなり反響が見込める
明るく清潔感のある写真を不動産情報サイトへ掲載することによって印象は大きく変わります。
物件を高く売るためには、わかりやすく魅力的な写真を撮る必要があるのです。
散らかっている室内の写真では、圧迫感を感じ、内見そのものが決まりにくくなる傾向にあります。
このため室内を片付け、生活感がない状態で写真撮影することが買い手の獲得に繋がります。
内覧時に好印象を与えられる
売却活動が進むと、購入希望者が室内状況を見るために内覧に来ます。
空間の広さの印象は一瞬で決まり、その印象は長時間残ります。
購入希望者がリビングに入った瞬間に「なんか狭いな」と感じたら、その家を買うか買わないかの決断に響いてしまうかもしれません。
その一方、「広い部屋だな」と感じると、自身の家具を配置するイメージを持ってもらうことができます。
家具の配置イメージこそ「住みたい」につながる貴重な一歩になるのです。
良い条件で売却できるように、内覧時までに片付けをできるだけ済ませておきましょう。
たかの
片付けの最適なタイミング
査定価格等に大きく影響してくる重要なポイントである片づけですが、それはどのタイミングで行えば良いでしょうか。
売却の査定や内覧が始まる前に、片付けを進めておくことをお勧めします。
家の売却にあたり、片付けをするのに適したタイミングは、売却の流れに応じて「査定の前」と「内覧が始まる前」の2つです。
査定の前
査定前の片付けは、査定価格の大きく影響します。
片付けや整理整頓は、家の魅力を引き立て、不動産会社から高い査定価格を得るための重要なステップです。
片付いた状態の家は、部屋が広く見えたり、明るさが感じられたりするため、売却価格にプラスの影響を与えます。
この時点ではまだ全ての家具や家電を処分する必要は無く、不要な日用品を処分する程度でOKです。
余計なものがないことで、建物の価値がより明確に伝わります。
内覧の前
内覧が始まる前も片付けに適したタイミングです。
仲介を依頼する不動産会社が決まり、売却活動が始まると、購入希望者から内覧の申し込みが入ります。
内覧の際にまだ住んでいる場合でも、必要最低限のものを残して段ボール詰めをしておくなど、できるだけ片付けを進めましょう。
空き家の場合は引渡しができるレベルまで片付けをしておくことをお勧めします。
物件が決まればすぐにでも引っ越したいと考えている方も多いため、購入希望者からの印象が良くなります。
ここでご紹介した売却の流れと片付けのタイミングは、一戸建てでもマンションでも同様です。
不動産会社が査定する前から片付けを始め、内覧者が訪れる際にはできる限り整理された状態を目指して進めていきましょう。
片付けなくてもよい付帯設備や家具とは
原則、家の中の荷物は片付けをして、空っぽの状態で引渡すことになります。
しかし、売主と買主が合意すれば、カーテンや食器棚、下駄箱、エアコン、照明器具といった家具や家電などを残したまま、付帯設備にできる場合があります。
売主にとっては、処分費がかからなくなりますし、買主にとっては無償で付帯設備を引き継げ、お互いにメリットが生まれるからです。
このように付帯設備を残すときは、不動産会社に「付帯設備表」を作成してもらいましょう。
たかの
付帯設備表とは、買主に引き継ぐ設備や家具等を示す表のことで、契約を行う際、売主が買主に提示する書類の1つです。
例えば、この付帯設備表に「エアコン・無」と記載する場合、売却時にエアコンを撤去しなければなりませんが、「エアコン・有」と記載する場合、逆にエアコンを設置したままにしておく必要があります。
ただし、残していく設備に不具合がある場合は、後々のトラブルを防ぐために、契約前に不具合の内容を記載した付帯設備表を買主に確認してもらった上で合意する必要があることを押さえておきましょう。
不用品を片付ける5つの方法
ここからは、家の売却でいらなくなった不用品を上手に売る・処分する5つの方法を紹介します。
お客様自身に適した処分方法をチェックしてみましょう。
自治体の回収を利用する
不用品を処分する際に、いちばんに思いつく方法なのではないかと思います。
下記のような家庭ごみは、地域に設置されているごみ集積所に出すことで処分できます。
ごみの種類 | 例 | 備考 |
可燃ごみ | 生ごみ、木製製品、革製品、衣類、靴類、木の枝・葉、汚れた紙くず類 | 紙ごみは汚れがない場合は資源ごみで出せる |
不燃ごみ | ガラス製品、陶器(お茶碗など)、アルミホイル、傘、金物類(フライパンなど)、小型の家電製品・金属類、照明器具 | ー |
資源ごみ | ペットボトル、発泡スチロール、プラスチック類、びん、缶、ダンボール、書籍・雑誌、新聞・チラシ | びん、缶、ペットボトルは中を洗ってから出す。自治体によってはペットボトル、びんはラベルとキャップを外すように指定がある点にも注意が必要。紙類に関しては種類別に紐でしばって捨てる。 |
通常のごみ出しは曜日によって捨てられるものが決まっているので、捨てたいタイミングにごみが捨てられない場合があるので注意が必要です。
また、規定のサイズ以上になると「粗大ごみ」扱いになるので、規定のサイズは自治体によって異なるので、事前に各市町村の公式サイトを確認しておきましょう。
通常のごみ出しでは処分できなかった粗大ごみは、自治体の粗大ごみセンターに持ち込んで処分してもらう方法もあります。粗大ごみセンターに分別して運び込む必要があるので、時間はかかりますが、処分費用を最もを安く済ませることができます。
営業日・営業時間は各自治体の粗大ごみセンターによって異なりますし、予約が必要な場合もあるのでいきなり持ち込むのではなく、事前に問い合わせて確認してみると良いでしょう。
三島市における粗大ごみの定義は以下となっています。
ふとん、カーペット類、家具、家電製品(「エアコン」「テレビ」「冷蔵庫・冷凍庫」「洗濯機・衣類乾燥機」を除く。)、自転車、ストーブ等で、最大辺が30cmを超える燃えるごみ及び最大辺が50cmを超える燃えないごみが粗大ごみとなります。
なお、処理手数料は100kgまで1,000円(100kgを超える場合は10kgごとに100円を加算した額)となります。
詳しくは三島市の公式サイトからご確認下さい。
フリマやオークションに出品
時間に余裕があるという方にはメルカリやヤフオク!などのフリマアプリやネットオークションもお勧めです。
同じブランドや同じ種類の商品名で検索してみると、どのくらいの金額で出品・落札されているかが見て取れますのでそちらを参考に値段をつけて出品します。
希望通りの金額で落札されれば、思いがけない臨時収入となるかもしれません。
だだ、自身で商品の写真を撮影したり、キャプションを書いたり、購入希望者からの質問に回答したりといった作業が多いため、そうした細かいやりとりが苦でない人にしか向かない方法と言えるかも知れません。
また、念願かなって売れたとしても、輸送時に破損のないよう梱包したり、コンビニなどに持っていき発送の手続きを行うなど、やることは多いです。
このため、時間に余裕がない場合は避けた方が良いでしょう。
送料は出品者が負担することも多いため、その分を加味した金額を最初に設定しておかないと、「売れたのに赤字に‥‥」なんて事態も考えられますので注意が必要です。
リサイクルショップで売却
フリマやオークションで売るより安値にはなりますが、手間を少なく処分したい場合はリサイクルショップでの売却をお勧めします。
状態によっては値段がつかない物もありますが、そのまま無料で引き取ってくれるところもあります。
持ち込みで依頼する場合は、車に積み込んでお店に持っていかなくては行けない上、古く損傷がある物は値段がつかなかったりすると、また持って帰らなくてはならないところがデメリットです。
急に持ち込む前に、電話やメールなどで大まかに家具の状態を伝えておくとスムーズです。
不用品を大量にまとめて売りたい場合は、訪問査定や郵送して査定を依頼できるリサイクルショップの利用も検討しましょう。
ただ、リサイクルショップはあくまで営利を目的としているため、引き取ってもらえないものも出てきます。リサイクルショップを単体で利用するのではなく、自治体の回収サービスや不用品回収業者とセットで活用するようにしましょう。
たかの
例えば、夏に使いたい扇風機は6月頃に売りに行くと高く売れる時期です。
引っ越し業者に片付けを依頼
引越しするために不用品を処分したいという方は、引越し事業者に処分してもらう方法もあります。
処分のための手続きと搬出が必要ないので、一石二鳥です。
不用品回収サービスを行っている引越し会社はいくつもあるので、見積もりの際に確認してみましょう。
不用品回収業者に片付けを依頼
不用品回収業者に依頼して処分してもらう方法です。売れる状態ではないし、手間もかけたくない。
粗大ごみとして自分で運ぶのも大変だ。不用品がたくさんある!
そんな状態に当てはまる方には、不用品回収業者の依頼を検討しましょう。
費用は数万円から何十万円かはかかってしまいますが、依頼の電話やメールを1本すれば、あとは不用品回収業者におまかせできます。
土日や夜間・早朝での作業が相談可能な業者も多いため、平日では忙しくて対応できないという方でも安心です。
不用品回収業者は不用品処分の方法の中で最も早く、かつ漏れなく確実に処分が可能です。「スピードを求める人」や「処分方法に頭を悩ませたくない人」は、まず検討すべき方法と言えるでしょう。
たかの
ただ、悪徳業者も多いので不用品回収業者を決める際には、
・安すぎる金額には飛びつかないこと
・見積書を渡してくれる(不明なオプションなどがない)こと
・地域での実績があり、信頼できること
こちらを決め手に選ぶようにすれば、失敗は少ないでしょう。
片付け前に探しておきたい必要書類
片付けを開始する前に、購入時の売買契約書等の不動産売却に必要な書類を探しておくことが大切です。
なぜなら、購入時の売買契約書等を探して取得費を把握することで譲渡所得税が大きく変わるからです。
例えば、両親が2,000万円で購入した土地を相続して3,000万円で売る場合、購入時の売買契約書があれば支払う税金は120万円で済みますが、契約書が無いと530万円もかかってしまいます。
このように、購入時の売買契約書等を探して取得費を把握することは、節税においてとても重要です。
ところが、相続した家の片付けをした際に、不要だと思って書類をすべて処分してしまう方が意外と多く、実際に私もそうしたお客様からのご相談をよくいただきます。
このような事態に陥らないよう、片付けを始める前にまず、購入時の売買契約書等を探しましょう。
たかの
購入時の売買契約書等を探すメリットについて、こちらのページで詳しく解説しています。
さらに、購入時の売買契約書等と併せて探しておきたい不動産売却で必要な書類8種類を以下の表で確認しましょう。
片付けを開始する前に、探しておくことで売却をスムーズに進めることができます。
探しておきたい必要書類 | |||||
必要書類 | 目的 | 土地 | 一戸建て | マンション | |
1 | 取得時の売買契約書 | 譲渡所得税額算出のため | ◯ | ◯ | ◯ |
2 | 土地測量図・境界確認書 | 測量の要否や境界の明示状況を確認 | ◯ | ◯ | - |
3 | 建築確認済証(建築確認通知書) | 建築基準法に適合しているか確認 | - | ◯ | - |
4 | 検査済証 | 建築基準法に適合しているか確認 | - | ◯ | - |
5 | 設計図書 | どのように設計・工事されたか確認 | - | ◯ | △ |
6 | パンフレット・設備仕様書 | 仕様を確認 | - | △ | △ |
7 | マンションの管理規約 | マンション内のルールを確認 | - | - | ◯ |
8 | 耐震診断報告書・アズベスト調査報告書 | 売主が保有している証明書等があれば提示 | - | △ | △ |
「◯」必要書類。「△」任意(準備できればなおよい書類)。「-」必要書類ではない。
必要書類が見つからなかった場合の対処方法は、こちらのページで詳しく解説しています。
まとめ
今回は、最適なタイミングや効果的な処分方法等について紹介しました。
家をスムーズに売却するためも、下記3つが大切であるとご理解いただけたはずです。
- 第一印象がとても大切、売却を始める前にきれいに片付ける
- 片付けに適したタイミングは、「査定の前」と「内覧が始まる前」の2つ
- 片付けを開始する前に、購入時の売買契約書等の必要な書類を探しておく
不動産売却で失敗しないためには、お客様自身で知識を増やすことも大切ですが、1人で全部行おうとすると、限界があります。
そのため、お客様に合った適切な提案をしてくれる不動産会社は、不動産の売却においてとても重要なパートナーになります。
特に、今回のように「片付けをどう進めたら良いか」という課題は、ゴミ捨てのルールなど地域ごとの条例が大きく関わってきますので、その地域に密着した不動産会社の知識が不可欠です。
アイ企画は、昭和61年から静岡県三島市に特化した地域密着型の不動産会社です。そのため地域の条例に詳しいのはもちろんのこと、家財道具の処分にお困りのお客様には長年の経験から信頼できる処分業者様のご紹介も行えます。
新しい家具が多い方や貴重な家具をお持ちの方など、「家財道具つき物件」として売り出せないかどうかのかご確認やご相談も可能です。
まずはお気軽に、アイ企画までご相談ください。