自動運転の普及で三島市の不動産価値はこう変わる!最新予測と戦略

「駅から遠い=不利」はもう古い?2035年、自動運転が当たり前になった未来。私たちの住まいや不動産の価値は、どう変わるのでしょうか。

静岡県三島市は、江戸時代から宿場町として栄え、旧東海道沿線が長く経済の中心地でした。

しかし1934年の丹那トンネル開通、そして新幹線三島駅の設置により、地価の中心は駅前エリアに大きくシフトしてきました。

その歴史は、「交通の進化が街の価値を動かす」ことを証明しています。

そして今、私たちは「自動運転」という第3の交通革命を目前にしています。

AIが運転し、郊外からでもストレスなく移動できる未来では、これまで評価されなかった地域に新たな光が当たり、逆に「駅近」の優位性が揺らぐ可能性すらあるのです。

この記事では、不動産売却を検討している三島市のオーナー向けに、これからの価値の変動予測と最適な戦略を、過去・現在・未来の視点から詳しく解説します。

「自動運転が標準装備」という近未来

日本では、自動運転(レベル0〜5)のうち、運転者が不要になるレベル4は2023年4月に解禁され、特定条件下なら公道での「無人走行」が法的に可能になりました。

国土交通省と警察庁が所管する改正道路交通法により「特定自動運行」という新しい許可制度が整備されたことで、全国の自治体・企業が実証から商用フェーズへ一気に舵を切ろうとしています。

こうした追い風の下、静岡県三島市でも2023年12月、JR三島駅北口と下土狩駅を結ぶ約1.5 kmの区間で小型バス(レベル2)による自動運転実証運行が行われ、わずか4日間で延べ464人が試乗しました。

国の補助事業に採択され、NTTコミュニケーションズや伊豆箱根バスなど地元・大手企業が連携した点でも注目を集めました。

たかの

日本の5年先を行くアメリカでは自動運転技術の商用化が一気に進んでおり、安全面や規制整備の不均一さは依然として課題ではあるものの、都市部でのロボタクシー運行や物流分野での実用化が明らかに進展しています。

つまり日本でも「2035年=自動運転が当たり前」が現実味を帯びています。


MEMO

レベル2 … 速度調整や車線保持を車が担当。ドライバーは常に監視。

レベル4 … 特定の条件下では完全無人走行が可能。人は一切ハンドルを握らない。

三島市の自動運転バスの実証実験について、詳しくは三島市の公式サイトを確認下さい。

なぜ今、売却戦略を練り直すべきか

  • 現在、三島駅周辺の平均坪単価は 87.9万円/坪 と郊外の約2倍超。
  • 自動運転で「駅近」という概念が希薄になれば、郊外・インター近接地の価値が相対的に上昇する可能性。
  • 逆に“駅前一極”に依存する物件は、早めの出口戦略でキャピタルゲインを確定しておく手も。

自動運転以外にも人口推移と災害リスクによって三島市全体的に土地相場が2030年までに下降すると言われています。

こうした環境変化を前に、「売るならいつ」「持つなら何を整備するか」を5年単位で再プランニングすることが、損失を防ぐ最大の保険になります。

それぞれが、土地の価格にどのように影響してくるのかについては、こちらのページで解説しています。

三島市の地価は「移動コスト」に合わせて動いてきた

江戸期、宿場町としてにぎわった旧東海道沿いが長らく商業中心でしたが、1934年に丹那トンネルが開通し現在の三島駅が誕生すると、商業と人口の重心は駅前へ急速に移動しました。

この歴史は、「モビリティーが変わると地価の中心も動く」ことを雄弁に物語ります。

旧東海道沿線が商業の中心だった時代

三島は古くから東海道五十三次 11番目の宿場町として栄え、三嶋大社の門前町や本町・中央町周辺の商店街が経済の中心でした。

江戸から明治・大正期にかけては、人の移動と物資の流通の主役が徒歩や人力、馬車だったため、街道沿いに人が集まり、75軒もの旅籠が立ち並んでいました。

旅人を集める宿場機能と門前町のにぎわいが重なり、土地の価値は旧東海道沿線に集中していたのです。

たかの

宿場町とは幕府公認の中継拠点です。
三島宿は輸送と宿泊の両インフラを握っていたため、江戸‐京間の物流と人流のハブ=“当時の主要ターミナル”でした。

鉄道網の拡充と三島駅周辺へのシフト

昭和初期、東海道本線のルート変更と三島駅の誕生(1934年)により、価値の重心は一気に駅前へ。

さらに1969年の東海道新幹線・三島駅開業により、東京・名古屋へのアクセスが飛躍的に向上し、駅前エリアは不動産の中心地へと変貌しました。

  • 1970年代以降、楽寿園・一番町・文教町周辺が高額地価を形成。
  • 駅周辺には再開発が進み、居住地だけでなく商業施設や行政機能も集約。

つまり、三島の地価は常に「移動効率」に引っ張られて変化してきたのです。

たかの

このように、モビリティー(交通手段)の革新が「どこに価値が生まれるか」を劇的に変えたのが三島市の歴史の特徴です。

現在の地価分布:駅周辺が依然として高水準

三島駅周辺の2025年の地価(公示地価または地価調査地点)について、「駅からの徒歩距離」と「坪単価」を整理した表です。地価と距離の関係性がわかりやすくなっています。

2025年現在、三島市の平均地価は41万4,495円/坪です。

三島駅より500m以内にある駅周辺エリア(一番町・文教町・寿町)では平均87万9,000円/坪となっている一方で、三島駅から2.5km超の郊外エリア(加茂・谷田・藤代町など)は33万3,000円/坪となっています。

つまり、現在の三島市では「三島駅近=高評価」「郊外=低評価」という図式が根強く残っているのです。

駅までの距離と地価
地域 三島駅までの距離 坪単価(円/坪)
一番町15番21 駅より100m 112万3,966円/坪
文教町1丁目5番6 駅より150m 89万5,867円/坪
寿町9番27 駅より400m 62万4,793円/坪
芝本町1-40 駅より580m 61万1570円/坪
本町3番36 駅より900m 64万1,322円/坪
 三島市平均   41万4,495円/坪
   
加茂50番6 駅より2,600m 34万3,801円/坪
藤代町4番3 駅より2,900m 32万8,925円/坪
梅名377番1 駅より4,300m 30万1,487円/坪

自動運転が不動産に与えるインパクト

三島駅前に「徒歩○○分」であること、それはこれまで絶対的なプレミアムでした。

ところがレベル4自動運転が標準装備となる2030年代半ばには、その価値基準が根底から揺さぶらることが想定されます。

駅徒歩圏=価値、という時代の終焉

これまで、「駅まで徒歩10分圏内」は不動産価値を高める最大の要因とされてきました。

しかし、自動運転が普及する社会では“歩く必要”がなくなるため、その優位性が徐々に薄れると考えられています。

  • 自動運転タクシーが自宅前に来て、駅や目的地まで送迎。
  • 通勤中は読書や仕事に集中でき、移動が“苦”でなくなる。
  • 高齢者や免許返納層も自由に移動できる社会が到来。

目的地“直行”型の価値評価へ

これまでの交通は「乗り換え」や「乗車位置」が前提でしたが、自動運転時代は“玄関から目的地まで直行”が基本になります。

その結果、

  • ショッピングセンター・病院・行政施設の周辺。
  • インターチェンジ・幹線道路沿いの土地。
  • 子育て世帯向けの教育・医療アクセスが良い地域。

などが、移動の利便性ではなく“生活の合理性”で再評価される流れが加速します。

モビリティーネットワークとEVインフラの影響

また、自動運転と共に普及するEV(電気自動車)やMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)の影響も見逃せません。

  • EV充電ステーションの整備が進む地域は地価が底堅くなる。
  • MaaS拠点(AIシャトル、シェアカー乗降ポイント)の近くは利便性が高くなり、新たな都市構造の“結節点”として注目。

今後は、不動産の価値が「道路や線路」ではなく「デジタル交通網の結節点」に沿って形成される時代になると予測されます。

自動運転時代に需要が高まる土地の具体的特徴

どんな土地に需要が集まるのかを具体的に掘り下げます。

幹線道路・ICに近い立地

AIによるルート最適化が標準化されると、幹線道路やインターチェンジ(IC)付近の土地は、通勤・通学・商業利用いずれにも優れた利便性を持つと評価されます。

三島市内では、三島塚原IC、三島加茂IC周辺や国道136号線沿いのエリアに再評価の兆しがあります。

広い駐車スペースや複数台駐車可能な土地

自動運転時代には、

  • 自家用EV
  • 自動運転シェアカー
  • 配送・送迎AI車両

などが常に出入りするため、駐車スペースの“余裕”が土地の価値に直結します。

従来はマイナス評価されていた郊外の広い敷地が、むしろメリットとして注目される流れです。

平坦で整形された開発しやすい土地

自動運転車は、狭い道・複雑な路地が苦手なケースもあるため、

  • 平坦で道路接面が広い整形地
  • 幅員6m以上の接道

といった、将来的な都市交通インフラにフィットする物件形状が好まれます。

生活目的地(商業・教育・医療)へのアクセスが良い

駅やバス停ではなく、「行きたい場所に直行できる」ことが重要になります。

  • スーパー・大型商業施設
  • 小学校や保育園
  • 総合病院・クリニック

これらが近くにある土地は、自動運転の普及とともに“日常生活の拠点”として人気が高まります。

三島市で狙い目のエリア・避けたいエリア

三島市内の具体的エリアを例に、「狙い目」か「慎重にすべきか」を見ていきます。

狙い目エリア1:国道136号沿い中郷エリア(梅名・新谷など)

これらのエリアは現在、

  • 地価が比較的安価(坪単価20〜30万円程度)
  • 整形地が多く、駐車スペースや庭付き住宅に適している
  • 三島駅や沼津方面へのアクセスも、自動運転なら格段に快適になる見込み

今後、通勤や子育て世帯の生活拠点として再評価が進むと見られています。

狙い目エリア2:三島塚原IC・三島加茂ICなど伊豆縦貫道沿いの郊外住宅地

  • IC近接で車社会に強く、物流・商業・住宅のいずれにも需要が高い。
  • 自動運転シャトル・物流車両による人流・物流の拠点化が期待される。
  • 治安がよく子育て世帯に人気。敷地面積が広いことから、「駐車2台」「EV充電対応」に最適。

これらは従来の住宅地よりも、「用途の多様性」が将来価値を押し上げる鍵になります。

注意が必要なエリア:旧東海道沿い(本町・大宮町など)

このエリアは歴史的には価値があったものの、

  • 道幅が狭く、自動運転車の通行には不向き。
  • 高齢化と空き家率の増加。
  • 駅や幹線道路からのアクセスも限定的。

将来の再開発が進まない限り、相対的に地価が沈むリスクもあり、「高値がつくうちに売却」が戦略的な選択肢です。

今が売り時?駅前の高騰地

三島駅周辺(文教町・一番町・寿町など)は依然として地価が高く、

  • 将来的に「駅近」の優位性が相対的に低下する
  • インバウンドや観光需要が一服すると利回りが低下する可能性も

今のうちに高値で売却し、別の土地や資産に組み替える“出口戦略”が有効です。

まとめ

  • 自動運転は、2025年〜2035年の10年間で一気に進展する見込み
  • IC周辺や国道136号線沿いのエリアに再評価の兆し
  • 旧東海道沿いエリアは道幅が狭く、自動運転車の通行には不向き

不動産活用で失敗しないように、しっかりとお客様自身で知識を増やすことも大切です。しかし、1人で全部行おうとすると、限界があります。

そのため、お客様に合った適切な提案をしてくれる不動産会社は、不動産の活用においてとても重要なパートナーになります。

特に、今回のように「私の不動産は大丈夫?自動運転時代を目前に資産を組み替えるにはどうすれば?」という課題を汲み取って貰えるかどうかは、その地域に詳しい信頼できる不動産会社の力量によって大きく影響されます。

もし、提案力の低い不動産会社を選んでしまった場合、損をしてしまうことになりかねません。

不動産の活用を成功させるためにも、信頼できる不動産会社を見つけることをお勧めします。

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