三島市のマンション価格が上がる中、戸建て・土地はどうなるか|成約事例で検証

この記事の要点(30秒でわかる)
  • 三島駅周辺の中古マンションでは、同一物件・同一面積で16か月のあいだに成約価格が+10.5%(5,250万円→5,800万円)上昇し、値引きゼロ・売出から5日で成約した事例があります。
  • 三島市の中古マンションの平均成約期間は6.2か月ですが、実際に成約した5件は3日〜37日で決まっています。
  • ただしこの5件はすべて三島駅から徒歩8〜14分(1km圏)の物件です。この数字をそのまま郊外に当てはめることはできません。
  • 一方で三島市の住宅地の公示地価は2025年に-0.2%と微減。マンションと土地は別方向に動いています。
  • マンションの上昇が戸建て・土地に波及するかは立地次第です。駅周辺は満額に近い成約ができていますが、郊外は売出価格から5〜10%の値下げをして成約しているのが実際です。
  • ご自身の町の地価は三島市 地価・人口マップで確認できます。

※本記事で紹介する事例は、三島市内で実際に成約した取引のデータです。個別の査定額は現地確認が必要です。
本記事に登場する距離・徒歩分数は、すべてJR三島駅を基準としています。三島広小路駅・三島田町駅のほうが近い物件も、比較しやすさを優先して三島駅からの距離で統一しています。

三島市の中古マンション売却相場は、2026年7月時点で前年同月比+14.55%。三島駅エリアでは過去8年で+49.2%上昇しています。

その一方で、三島市の住宅地の公示地価は2025年に-0.2%と、わずかに下がりました。

マンションは上がり、土地は下がっている。この乖離が、いまの三島市の不動産市場で起きていることです。

アイさん

近所のマンションが高く売れたと聞いたんじゃ。ということは、わしの家と土地も高く売れるということじゃろうか?

たかの

それが、そう単純ではないのです。マンションの価格が上がっても、戸建てや土地に同じようには波及しません。ただし、まったく無関係でもありません。分かれ目は「立地」です。今日は三島市内で実際に成約した事例の数字をお見せしながら、その仕組みを説明します。

この記事では、三島駅周辺で実際に売却された中古マンション5件の成約データと、国土交通省の公示地価を並べて検証します。

「マンションが上がっているから、うちの土地も上がっているはず」という期待と、実際の数字がどれだけ違うのか。そして戸建て・土地をお持ちの方が、いま何を判断すべきなのか。読み終えたときに、ご自身の資産のポジションが分かる状態を目指します。

もくじ

三島駅周辺の中古マンションで、いま何が起きているか

まず、いちばん分かりやすいデータからお見せします。

同じマンションの、同じ広さの住戸が、16か月でどう変わったか。

三島駅の北側にある「シャリエ三島文教町」(三島市文教町2丁目12-1/2015年築)では、専有面積91.18㎡の住戸が2回売却されています。1回目が2024年9月、2回目が2026年1月です。

同一マンション・同一面積で、16か月で成約価格+10.5%

項目 2024年9月 成約 2026年1月 成約 変化
専有面積 91.18㎡ 91.18㎡ 同一
売出価格 5,480万円 5,800万円 +320万円 ⬆︎
成約価格 5,250万円 5,800万円 +550万円(+10.5%) ⬆︎
値引き額 -230万円(-4.2%) ⬇︎ なし(満額) 指値が入らなくなった
売出から成約までの日数 21日 5日 約4分の1
㎡単価(専有) 57.6万円 63.6万円 +10.5% ⬆︎
出典

三島市内で実際に成約した取引データより。物件は三島市文教町2丁目12-1「シャリエ三島文教町」、いずれも専有面積91.18㎡の住戸。㎡単価は成約価格を専有面積で除した参考値です。

たかの

この表で注目していただきたいのは、価格そのものよりも「売出価格を320万円も上げたのに、値引きゼロで、しかも5日で決まった」という点です。2024年は5,480万円で売り出して230万円の指値が入り、成約までに21日かかりました。2026年は5,800万円という高い価格で出したにもかかわらず、指値なし・5日で成約しています。

アイさん

5日で決まるということは、価格が安すぎたということではないんかい?

たかの

鋭いご指摘です。もっと高く売れた可能性は、正直に言えばあります。ただ、それは「売り出せば即座に買い手がつく市場になっている」という証明でもあります。1年半前は同じ物件で指値が入っていたわけですから、市場が明確に変わったということです。

実際の成約事例5件を並べると、もう一つの傾向が見えます

三島駅周辺で実際に売却された中古マンションの成約事例を、時系列で並べます。

※スマートフォンでは表を横にスクロールしてご覧ください。

成約時期 物件名 所在(三島駅から徒歩) 築年 専有面積 成約価格 ㎡単価 値引き 日数
2024年9月 シャリエ三島文教町 文教町2-12-1
(徒歩10分)
2015年 91.18㎡ 5,250万円 57.6万円 -4.2% ⬇︎ 21日
2024年12月 ガーデンホームズ三島 芝本町6-25
(徒歩8分)
1996年 72.59㎡ 2,100万円 28.9万円 満額 28日
2025年11月 アクシスコート三島中央町 中央町3-29
(徒歩14分)
2003年 77.65㎡ 3,160万円 40.7万円 満額 3日
2026年1月 シャリエ三島文教町 文教町2-12-1
(徒歩10分)
2015年 91.18㎡ 5,800万円 63.6万円 満額 5日
2026年5月 サーパス三島本町 本町1-10
(徒歩12分)
2005年 82.75㎡ 4,250万円 51.4万円 -4.5% ⬇︎ 37日
出典

成約データは三島市内で実際に成約した取引に基づきます。㎡単価は成約価格を専有面積で除した参考値です。徒歩分数はいずれもJR三島駅からのもので、各不動産ポータルサイトの表記(1分=80m換算)に基づく参考値です。三島広小路駅・三島田町駅のほうが近い物件もありますが、比較のため三島駅基準に統一しています。5件は建物・築年数・階数・所在がそれぞれ異なるため、㎡単価の差はそのまま「市場の値上がり率」を示すものではありません。市場の方向性を読み取るための参考データとしてご覧ください。

平均6.2か月に対して、3日〜37日で決まっている

この5件でもっとも重要なのは、価格ではなく成約までの日数です。

三島市の中古マンションの平均成約期間は6.2か月(約186日)とされています。それに対してこの5件は、3日・5日・21日・28日・37日。いずれも平均の5分の1以下です。

出典

三島市の中古マンション平均成約期間6.2か月は不動産一括査定サービス「HowMa」による集計値。中古マンション売却価格相場の前年比+14.55%(2026年7月時点)、三島駅エリアの過去8年+49.2%も同社の集計に基づきます。

たかの

37年この街で不動産を見てきた一人の人間の実感として申し上げると、これは異常な速度です。以前の三島は「良い物件でも半年は覚悟してください」とお伝えする市場でした。それが今は、良い条件のものは週単位で消えていきます。

ただし、この5件はすべて「三島駅から徒歩8〜14分」の事例です

ここで、この記事を読み進めるうえで絶対に押さえていただきたい前提があります。

ここまで紹介した成約事例5件は、三島駅から徒歩8分(芝本町)から徒歩14分(中央町)の範囲に収まっています。距離にすると、おおむね640m〜1,120m。つまり全件が「三島駅1km圏」の物件です。

アイさん

ということは、この好調な数字は駅前の話ということかい?

たかの

そのとおりです。この5件の数字を、そのまま郊外に当てはめることはできません。そもそも三島市の中古マンションは駅周辺にしか建っていないので、マンションのデータは構造的に「駅1km圏の市場」しか映せないのです。ここを混同すると、判断を誤ります。

そして、この1km圏の中では距離の細かい差より、築年数と「いつ売ったか」が結果を左右しています。

築年 ㎡単価(専有) 成約時期
1996年(築28年) 28.9万円 2024年12月
2003年(築22年) 40.7万円 2025年11月
2005年(築21年) 51.4万円 2026年5月
2015年(築11年) 63.6万円 2026年1月
出典

三島市内で実際に成約した取引データより。㎡単価は成約価格を専有面積で除した参考値です。建物・所在・階数が異なるため、築年数以外の要因も含まれた数値です。

さらに、最新の成約である2026年5月のサーパス三島本町では、4.5%の指値が入り37日を要しました。市場は一直線に上がっているわけではありません。駅1km圏であっても、築年数・階数・広さ・価格帯によって結果は変わります。

たかの

まとめると、いま確実に言えるのは「三島駅1km圏の中古マンションは、売り出せば短期間で決まる市場になっている」ということです。ここから先が本題です。この勢いは、戸建てや土地にも及んでいるのでしょうか。

なぜマンションだけが上がっているのか

中古マンションが高く・早く売れている背景には、3つの要因があります。

要因1:新築マンションの価格が、中古の水準を押し上げている

三島駅周辺では、いま前例のない規模で新築マンションが供給されようとしています。

物件 戸数 竣工予定 備考
三島駅南口東街区 A棟(24階) 194戸 2028年2月 三島市で最も高い建物(約90.6m)。4階に順天堂の医療施設
三島駅南口東街区 D棟(10階) 88戸 2028年2月 2LDK〜4LDK、約65㎡〜約85㎡
プレシスタワー三島中央(20階) 95戸 2028年11月 一建設。三島駅から徒歩13分。販売開始は2026年10月中旬予定
合計 377戸 2028年 三島市の年間新設住宅着工戸数(394戸)の約96%に相当
出典

三島駅南口東街区の戸数・竣工予定は三島市公式ホームページおよび三島駅南口東街区A地区第一種市街地再開発事業の公表資料。プレシスタワー三島中央の階数・戸数は物件公式サイトおよび不動産情報サイトの掲載によります。プレシスタワー三島中央は2026年8月時点で予告広告段階であり、販売価格は未定です。なお三島駅の北口側にあたる駿東郡長泉町下土狩でも、2024年12月に58戸(エンブルデアーナ三島駅/三島駅から徒歩9分)が竣工しています。三島駅を最寄りとする住宅供給は、市域をまたいで進んでいます。

再開発だけで分譲マンション282戸。ここにプレシスタワー三島中央の95戸を加えると合計377戸になります。

これは三島市の年間新設住宅着工戸数(持家・分譲合計394戸/2020年実績)の約96%およそ1年分に相当する住宅が、2028年に駅周辺へ一気に供給されるということです。

アイさん

そんなに増えたら、値段は下がるんじゃないんかい?

たかの

供給が増えれば下がる、というのが経済の基本ですが、いま起きているのは逆です。理由は新築の価格帯そのものが上がっているためです。首都圏で実績のある大手デベロッパーが手がける駅前タワーは、当然それに見合った価格設定になります。そして新築が高くなると、既存の中古マンションが相対的に「割安」に見える。この構図で中古が引き上げられています。

要因2:建築費の上昇が、新築・中古の両方を押し上げている

資材費と人件費の上昇により、いま新築で同じ建物を建てるコストは数年前と比べて明確に上がっています。

これは中古市場に「同じものを新築で建てるより、中古を買ったほうが安い」という力学を生みます。マンションだけでなく中古戸建てにも同じ理屈が働きますが、マンションのほうがこの効果が出やすいのは、立地(駅からの距離)という代替不可能な価値が価格に直結しているためです。

要因3:買い手が「駅に近いこと」に強い価値を置いている

そして3つ目が、この記事でもっともお伝えしたい部分です。詳しくは後半で扱いますが、結論から言えば、三島の買い手は三島駅そのものに価値を見ているのです。

一方、戸建て・土地はどうなっているか

ここまでマンションの話をしてきました。では戸建て・土地はどうでしょうか。

三島市の住宅地の公示地価は、2025年に下落に転じました

住宅地 平均(万円/㎡) 前年比 商業地 平均(万円/㎡) 前年比
2022 9.84 +0.1% ⬆︎ 19.0 +0.7% ⬆︎
2023 9.86 +0.2% ⬆︎ 19.3 +1.1% ⬆︎
2024 9.87 +0.1% ⬆︎ 19.6 +1.4% ⬆︎
2025 9.85 -0.2% ⬇︎ 19.9 +1.5% ⬆︎
出典

国土交通省「地価公示」(令和4年〜令和7年)。三島市内の標準地の平均値です。

中古マンションが前年比+14.55%で動いているのと同じ時期に、三島市の住宅地の公示地価は-0.2%。方向が逆です。

アイさん

同じ三島の不動産なのに、なぜこんなに違うんじゃ?

たかの

公示地価の「住宅地平均」には、市内のあらゆる場所の標準地が含まれています。駅前だけでなく、バス便中心の郊外も、山手の団地も入っている。だから市内全域の人口減少の圧力が、平均に効いてしまうのです。一方の中古マンションは、そもそも駅周辺にしか建っていません。つまりマンションのデータは「駅前の市場」を、住宅地の平均は「三島市全体」を映している。見ている対象が違うのです。

駅からの距離別に見ると、明暗がはっきり分かれます

三島駅からの距離別に2025年の公示地価を並べると、この構図がはっきりします。

地点 三島駅からの距離 用途 公示地価(万円/㎡) 前年比
一番町15-21 100m 商業地 34.0 +2.4% ⬆︎
文教町1-5-6 150m 商業地 27.1 +2.3% ⬆︎
大宮町2-13-15 700m 住宅地 17.4 +3.0% ⬆︎
初音台8-8 2,500m 住宅地 8.2 -1.0% ⬇︎
富士ビレッジ23-8 2,500m 住宅地 8.51 -0.6% ⬇︎
芙蓉台1-10-15 3,600m 住宅地 7.32 -0.8% ⬇︎
出典

国土交通省 地価公示(令和7年1月1日基準)・不動産情報ライブラリ

注目すべきは、駅700mの大宮町の住宅地が+3.0%と、駅前の商業地(+2.4%)を上回る上昇率を記録している点です。

戸建て・土地であっても、駅に近ければ上がっている。これは戸建て・土地の売主にとって重要な事実です。

一方で、2,500m圏の初音台は-1.0%、富士ビレッジは-0.6%、3,600mの芙蓉台は-0.8%。駅から約2.5kmを境に、上昇と下落が分かれています。

実務では、成約までの期間と値引き幅に差が出ます

数字だけでなく、実際の売却現場でどう違うのかをお伝えします。

エリア 指値(値引き交渉) 成約までの期間
三島駅周辺(おおむね1km圏) 入りにくく、満額に近い成約が可能 短い(マンションの成約事例では3日〜37日)
郊外(2.5km超・バス便中心) 実際に売出価格から5〜10%の値下げをして成約している 長い(三島市の戸建て平均は約7か月)
出典

指値・値引き幅は、有限会社アイ企画が三島市内で行っている不動産売買のなかで実際に起きていることです。公表統計ではありません。物件の状態・価格帯・時期によって幅があります。三島市の戸建ての平均成約期間約7か月は流通データに基づく集計値です。

たかの

たとえば郊外で2,000万円で売り出した場合、実際に1,800万〜1,900万円あたりで着地しています。極端に叩かれるわけではありませんが、満額では決まらない前提で価格を組む必要があります。逆に駅周辺は、最初から自信を持った価格を付けても決まります。この差が、いまの三島市の実態です。

マンションの上昇は、戸建て・土地に波及するのか

ここまでのデータを整理すると、答えは「立地によって、する/しない」です。

ご自身の土地がどこに当てはまるか、確認してください。

ゾーン1:三島駅からおおむね1km圏(徒歩15分以内)

マンション価格の上昇の恩恵が、戸建て・土地にも届いているエリアです。

  • 駅700mの大宮町の住宅地は+3.0%と、市内でもっとも高い上昇率
  • 先にお見せしたマンションの成約事例5件は、すべてこのゾーンの物件です(徒歩8〜14分)。売り出せば短期間で決まる市場になっています
  • マンションを検討していた層が「同じ予算なら戸建て」と流れてくる余地がある
  • 指値が入りにくく、満額に近い成約が期待できる
  • ただしゾーン1の中でも一律ではありません。築年数・広さ・価格帯によって、4.5%程度の指値が入り1か月以上かかる例もあります

ゾーン2:三島駅から1〜2.5km圏

上昇と下落の境目にあたるエリアです。

  • 公示地価は横ばい圏。上がる年もあれば下がる年もある
  • マンションはこのゾーンにほとんど存在しないため、マンション相場の上昇が直接の比較材料になりません
  • 価格設定の精度がそのまま結果に出るエリア。高すぎれば長期化し、安すぎれば取りこぼす

ゾーン3:三島駅から2.5km超(バス便中心)

マンション価格の上昇は、ほぼ届きません。

  • 初音台・富士ビレッジ・芙蓉台はいずれも公示地価がマイナス
  • 人口減少による下落圧力が、再開発やマンション相場の上昇を上回る
  • 売出価格から5〜10%の値下げ余地を織り込み、期間も長めに見積もる必要がある

あなたの町の地価を地図で確認できます
三島市の町名別の地価・人口増減データを、インタラクティブな地図でご覧いただけます。
▶ 三島市 地価・人口マップを見る

買い手が三島を選ぶ本当の理由は、再開発ではありません

ここまで「駅に近いほど強い」というデータをお見せしてきました。では、なぜ駅に近いことがこれほど価値を持つのでしょうか。

一般的な説明は「再開発があるから」です。しかし、実際に買われた方から聞く話は違います。

アイさん

買った人は、やっぱり駅前のタワーマンションに期待しとるんじゃろ?

たかの

これは意外に思われるかもしれませんが、再開発を理由に挙げる買主は、実はあまり多くありません。むしろ皆さんが口を揃えて言うのは、まったく別のことです。

実際に三島で住まいを購入された方から伺った、三島を選ぶ理由です。大きく3つに分かれます。

1. 東京とのつながりが切れない

  • 仕事を変えずに、新幹線で通勤できる(三島駅から品川まで最短37分、東京まで最短44分)
  • いざ東京や神奈川に戻ろうと思ったときに、簡単に戻れる

2.「程よい田舎」であること

  • 田舎すぎると教育施設や病院が少なく、そこまでは行けない。三島は程よい田舎
  • 自然の多い環境で子育てができる
  • 町を散歩すると、緑やせせらぎが多い

3. 人と、休日の過ごし方

  • 人柄が良く、温かい人が多い
  • 文化的な行事やイベントが多い
  • 伊豆・箱根・山梨など、自然の中で遊べる場所がたくさんある
出典

売買の現場で買主から伺った動機に基づくもので、統計調査ではありません。新幹線の所要時間は東海道新幹線ひかり号利用時のもので、便によって異なります。

たかの

この中でとくに注目していただきたいのが、「程よい田舎」という言葉です。田舎すぎれば教育施設や病院が足りない。かといって都会では自然が足りない。その中間に三島がある——これが選ばれている本当の理由です。そのうえで「東京とのつながりを切らずに、暮らしそのものを変えられる」。移住というより「拠点を移す」感覚に近いのです。

アイさん

人柄が良い、というのも理由になるんかい?

たかの

これが意外に大きいのです。土地の価格や間取りは他の街とも比べられますが、「ここに住んでいる人が温かい」というのは、実際に足を運んで人と話さないと分からない。三嶋大社の行事をはじめ文化的な催しが多く、地域の人と自然に顔見知りになれることも大きいと思います。何度か三島に通ううちに決められる方が多いのは、そのためだと感じています。

「駅前に欲しいのは、マンションより公園や水辺」という声

アイさん

でも、駅前が便利になるのは良いことじゃろう?

たかの

それが、実際にお話を伺っていると違うのです。三島駅の前には、マンションよりも広い公園や緑地、水辺があったほうがいい——多くの方がおっしゃいます。

三島は富士山の湧水が湧く「水の都」です。源兵衛川、白滝公園、楽寿園の小浜池。先ほど買主が挙げた「自然の多い環境で子育てができる」という理由は、この街の水と緑があって初めて成り立っています。

注記

これは有限会社アイ企画が三島市内で行っている不動産売買のなかで実際に伺っている声であり、市民を対象とした統計調査ではありません。また、再開発事業そのものの是非を論じるものでもありません。

この声が示していること

三島の不動産価値は、「新幹線が停まる駅の利便性」と「水と緑のある暮らし」の両方で成り立っています。どちらか一方だけでは、東京から人は移ってきません。

  • 利便性だけを求めるなら、東京により近い街がいくらでもあります
  • 自然だけを求めるなら、もっと安く手に入る地方がいくらでもあります
  • その両方が同時に成り立っていることが、三島が選ばれている理由です

たかの

だからこそ、駅前が「全国どこにでもある駅前」に近づくほど、三島を選ぶ理由の片方が薄まることになります。これは再開発への批判ではなく、三島の不動産の価値がどこから来ているのかという話です。駅の利便性は数字で測れますが、水と緑の価値は地価公示には表れません。

これが戸建て・土地の売主にとって何を意味するか

ここが、この記事でもっともお伝えしたい部分です。

駅に近い土地が強いのは再開発のおかげではなく、三島駅に新幹線が停まるからです。そして三島そのものが選ばれているのは、「程よい田舎」という街の性質によるものです。

この違いは、売主の判断に直接効いてきます。

  • 再開発が理由なら、2028年の竣工でイベントは終わります。「完成したら効果が薄れる」という懸念が現実になり、竣工後に地価が調整する可能性があります
  • 新幹線通勤が理由なら、その価値は竣工では終わりません。働き方が「東京の仕事を続けたまま地方に住む」方向に向かうかぎり、三島駅の価値は続きます
  • 「程よい田舎」「人の温かさ」「散歩道の緑とせせらぎ」「文化的な催しの多さ」が理由なら、それは再開発とは無関係に続きます。むしろ駅前が均質な街並みに近づくほど、この価値は相対的に希少になります

つまり、「駅に近いから、いま高い」のではなく「駅に近いから、これからも需要がある」という読み方ができます。ただしこれは将来の予測であり、確約ではありません。人口減少という下押し圧力が並行して進んでいることも忘れてはいけません。

アイさん

じゃあ、駅から遠いわしの土地には希望はないんかい?

たかの

そうは申しません。買主の理由をもう一度見てください。「自然の多い環境で子育てをしたい」「伊豆や箱根で遊びたい」——これは駅前のタワーマンションでは満たせない希望です。実際に、駅前の利便性より庭のある暮らしを選ぶ方はいらっしゃいます。とくに源兵衛川のような水辺や、まとまった緑に近い立地には、駅からの距離だけでは測れない価値があります。ただし、その層は駅前を検討する層より数が少ない。だから時間がかかり、価格の調整が必要になるのです。「売れない」のではなく「売り方と価格設定が違う」ということです。

戸建て・土地の売主が、いま取るべき判断

ここまでのデータを、実際の行動に落とし込みます。

ゾーン1(駅1km圏)の方:価格設定で妥協しないでください

先ほどのマンションの事例で、売出価格を320万円上げても値引きなし・5日で成約したことを思い出してください。同じ市場環境が、駅周辺の戸建て・土地にも及んでいます。

  • 「早く売りたいから安めに」という設定は、この市場では不要です
  • 指値を織り込んで高く出す必要もありません。適正価格で出せば決まります
  • むしろ注意すべきは安すぎる価格設定で機会損失をすることです

ゾーン2(駅1〜2.5km圏)の方:最初の3か月の設定がすべてです

このエリアは、価格設定の精度が結果を決めます。

  • 高すぎる価格で出して反響がないまま数か月経つと、値下げしても「売れ残り」と見られます
  • 複数社の査定を取り、根拠を比較してください。査定額の根拠を説明できない会社は避けるべきです
  • マンションと競合する価格帯なら、マンション相場の上昇は追い風になります

ゾーン3(駅2.5km超)の方:期間と値下げ余地を先に決めてください

もっとも現実的な準備が必要なエリアです。

  • 三島市の戸建ての平均成約期間は約7か月。半年以上かかる前提で計画を立ててください
  • 売出価格から5〜10%の値下げ余地を、最初から織り込んでおくことをお勧めします
  • 買い替えや相続税の納付など期限がある場合は、逆算して早めに動くことが決定的に重要です
  • 「駅前の再開発で三島の不動産が上がっているから、待てばもっと高く売れる」という判断は、このゾーンでは成立しにくいです

たかの

よくいただくご相談が「再開発が完成する2028年まで待ったほうが得ですか」というものです。ゾーン1なら検討の余地がありますが、ゾーン3では待つほど不利になる可能性が高いと考えています。人口減少による下落が、再開発の効果が届かないエリアでは上回っているからです。

まとめ:マンションと土地は、別の市場として動いています

  • 三島駅周辺の中古マンションは、同一物件・同一面積で16か月で成約価格+10.5%、値引きゼロ・売出5日で成約する市場になっています
  • 実際の成約事例5件はいずれも平均成約期間6.2か月の5分の1以下(3日〜37日)で決まりました。ただし5件すべてが三島駅から徒歩8〜14分(1km圏)の物件です
  • 一方、三島市の住宅地の公示地価は2025年に-0.2%。マンションと土地は逆方向に動いています
  • ただし駅700mの大宮町の住宅地は+3.0%。戸建て・土地でも駅に近ければ上がっています
  • 境目は駅から約2.5km。それを超えると公示地価はマイナスで、実際に売出価格から5〜10%の値下げをして成約しています
  • 買主が三島を選ぶ理由は再開発ではなく、新幹線通勤・「程よい田舎」・人の温かさ・散歩道の緑とせせらぎ・文化的な催しの多さでした。だからその価値は2028年の竣工では終わりません
  • むしろ「駅前にはマンションより公園や緑地、水辺があったほうがいい」という声を多くの方から伺います。三島の価値は駅の利便性と水と緑の両方で成り立っており、水辺や緑に近い立地には駅距離だけでは測れない価値があります

ご自身の土地がどのゾーンにあるかは、三島市 地価・人口マップで町名から確認できます。

数字は市場全体の傾向にすぎません。同じ町でも、間口・接道・高低差・用途地域によって評価は大きく変わります。ご自身の不動産がいくらで、どのくらいの期間で売れるのかは、現地を見なければ分かりません。三島市内であれば、無料で査定にお伺いします。

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