なぜ三島?不動産のプロが自腹で投資し続ける6つの理由

不動産のプロが、自分のお金で三島に投資し続けている理由を6つ、公示地価のデータと本音で語ります。マイホームの購入も、私は「不動産投資」だと考えています。

アイさん

三島ってのは、不動産投資に向いとるんかのう?

たかの

有限会社アイ企画の たかの です。三島市で土地売買の仲介をしながら、自分自身も三島市内の不動産に投資しています

毎日この街の土地を扱い、データを見て、売り手と買い手の双方と話している人間が、それでも「ここに張る」と決めている。この記事では、その理由を6つ、できるだけ本音でお伝えします。

ただ、その前に一つ、言葉の定義をそろえておきたいことがあります。

もくじ

そもそも「不動産投資」とは何か——マイホームの購入も投資です

「不動産投資」と聞くと、多くの方は次のようなものを思い浮かべると思います。

  • 収益物件を買って人に貸し、家賃を得る
  • 安く買って高く売り、その差益を得る

どちらも間違いではありません。ただ、これらは不動産投資の一部です。

私が考える不動産投資は、もっとシンプルです。

不動産を長期で保有し、活かしていくこと。

貸すのは、活かし方の一つ。売るのは、出口の一つ。本質は「その土地・その建物を、長い時間のなかでどう使い続けるか」にあります。

この定義に立つと、マイホームの購入も不動産投資に含まれます。

一般的な「不動産投資」のイメージ 私が考える不動産投資
目的 家賃収入・売却差益 長期で保有し、活かすこと
期間 数年〜十数年 数十年〜世代をまたぐ
対象 収益物件(アパート・区分マンション) 土地・中古戸建・古民家・そしてマイホーム
主な判断基準 利回り 30年後も、その街が人に選ばれているか

たかの

マイホームは「投資ではなく消費だ」と思われがちです。でも、35年のローンを組んで数千万円を一つの土地に置くわけですから、金額も期間も、たいていの投資より大きい。それを「投資ではない」と考えてしまうと、判断がふわっとしてしまうんです。

そして、この定義の違いは、そのまま「何を見て買うか」の違いになります。

利回りで買うなら、必要なのは数字だけです。地価、賃料、空室率、金利。

しかし長期保有を前提にするなら、数字に出ないものまで見る必要があります。街の雰囲気、そこに住む人の空気、その人たちが街を維持しようとする力。30年後にその街が選ばれているかどうかは、最終的にそこで決まります。

そしてもう一つ。長期で持つということは、自分が見ていない時間まで引き受けるということです。自分が買う前の50年と、手放したあとの50年。だから私は、土地の「これから」を考える前に、その土地の「これまで」を必ず確認します。

この記事は、その順番で書きました。

  • 理由①〜③:数字で確認できる話(地価・移住需要・再開発)
  • 理由④〜⑤:数字に出ない話(歩ける街、地域の雰囲気)
  • 理由⑥:その両方を、自分の投資判断にどう落としているか
  • 最後に:長期保有だからこそ見ている2つの地図(土地の記憶/災害リスク)

三島市は不動産投資に向いているのか?基本データで確認

まず、三島市の不動産投資を検討するうえで最低限押さえておくべきデータを整理します。

項目 内容
人口 約10.5万人(2025年1月・外国人含む)
アクセス 新幹線ひかりで品川まで約37分。東名・新東名ICも至近
住宅地 公示地価 平均 9.8万円/㎡(約32万円/坪)前年比 -0.14%
商業地 公示地価 平均 19.9万円/㎡(約66万円/坪)前年比 +1.49%
空き家率 14.4%(2018年・全国平均13.6%を上回る)
特徴 富士山の湧水が街中を流れる「水の都」。三嶋大社の門前町
出典

国土交通省 地価公示(令和7年)・不動産情報ライブラリ、住宅・土地統計調査(2018年)

住宅地はわずかにマイナス、商業地はプラス。この「全体は横ばいだが、エリアによって明暗が分かれている」構造が、三島の不動産投資を理解するうえで最も重要なポイントです。

理由①:三島市の土地価格は東京通勤圏で割安

三島市の住宅地と街並みの俯瞰写真

三島市の住宅地の公示地価は平均9.8万円/㎡(2025年)。同じく新幹線通勤が可能な小田原市と比較します。

エリア 住宅地 公示地価 坪単価 前年比
小田原市(神奈川県) 10.2万円/㎡ 33.6万円/坪 +0.75%
三島市(静岡県) 9.8万円/㎡ 32.4万円/坪 -0.14%
出典

国土交通省 地価公示(令和7年)住宅地平均

住宅地の平均で見ると、三島は小田原より約4%安い水準です。

たかの

小田原は東海道線・小田急線・箱根登山鉄道が乗り入れ、鉄道アクセスの選択肢が多い。対して三島は新幹線1本勝負です。にもかかわらず住宅地がほぼ同水準ということは、新幹線アクセスの価値がまだ十分に地価に反映されていないと私は見ています。

三島駅前の商業地価は7年間で+10%上昇している

三島市商業エリアのマンション外観

「住宅地が横ばいなら投資にならないのでは?」と思われるかもしれません。しかし、駅前の商業地はすでに動いています

三島市で最も地価が高い地点「一番町15-21」(三島駅から100m)の公示地価の推移を見てください。

公示地価(万円/㎡) 坪単価(万円) 前年比 再開発の動き
2018 30.8 101.8 事業協力協定を締結
2020 31.4 103.8 +1.3% ⬆︎ 都市計画決定
2022 31.9 105.5 +0.9% ⬆︎ 組合設立認可
2024 33.2 109.8 +2.5% ⬆︎ 着工(4月15日)
2025 34.0 112.4 +2.4% ⬆︎ 躯体工事本格化
出典

国土交通省 地価公示(2018〜2025年)

2018年→2025年で30.8万円/㎡→34.0万円/㎡。7年間で約10%の上昇です。再開発の進捗と地価上昇のタイミングが明確に一致しています。

たかの

商業地から先に動き始めて、住宅地にこの波が届くかどうか——それが投資判断の分かれ目です。正直に言えば、三島市の住宅地「全体」には届かないと見ています。ただし、駅徒歩圏の一部エリアにはすでに届き始めている。理由②で示す距離別データがそれを裏付けています。私が投資しているのは「三島市」ではなく「三島駅の徒歩圏」です。

理由②:三島への移住需要が駅徒歩圏に集中している

三島市の人口は2005年の約11.3万人をピークに減少が続いています。これは隠しても仕方のない事実です。

ただし、人口の「総量」と「流入の質」は別の話です。

  • 新幹線通勤が可能 → 東京で働きながら三島に住む「二拠点居住」層が増加
  • リモートワーク定着 →「毎日通勤しなくていい」前提の移住が現実的に
  • 子育て環境の充実(待機児童ゼロ、子育てコンシェルジュ)
  • 伊豆・箱根の「玄関口」としての観光・レジャー価値

たかの

私が仲介の現場で実感しているのは、「東京の会社に勤めているけど、三島に家を建てたい」という30〜40代の相談が増えていること。
こういう方は購買力がある実需層なので、土地の値崩れを防ぐ下支えになります。

ただし、この需要は三島全域に均等に分布しているわけではありません

駅からの距離別に2025年の公示地価を並べると、需要の集中が数字で見えます。

地点 駅距離 用途 公示地価(万円/㎡) 坪単価(万円) 前年比
一番町15-21 100m 商業地 34.0 112.4 +2.4% ⬆︎
文教町1-5-6 150m 商業地 27.1 89.6 +2.3% ⬆︎
大宮町2-13-15 700m 住宅地 17.4 57.5 +3.0% ⬆︎
初音台8-8 2,500m 住宅地 8.2 27.1 -1.0% ⬇︎
富士ビレッジ23-8 2,500m 住宅地 8.51 28.1 -0.6% ⬇︎
芙蓉台1-10-15 3,600m 住宅地 7.32 24.2 -0.8% ⬇︎
出典

国土交通省 地価公示(令和7年)・不動産情報ライブラリ

駅から約1km圏は+2〜3%上昇、2.5km超はすべてマイナス。 約2.5kmを境に上昇と下落がはっきり分かれています。

たかの

移住需要は「三島市」ではなく「三島駅の徒歩圏」に集中しています。だから「三島市のどこに投資するか」がすべて。このテーブルが、後で話す私自身の投資方針にも直結しています。

三島市内のゾーン別地価動向と再開発の影響範囲については、当社の以下の記事で詳しく分析しています。

理由③:三島駅南口の再開発261億円の追い風

三島駅南口では現在、総事業費約261億円の大規模再開発が進行中です。

項目 内容
参加企業 ミサワホーム、東レ建設、野村不動産、三菱地所レジデンス
規模 計6棟(最高24階・高さ約90.6m)延床55,765㎡
主な機能 分譲マンション282戸、ホテル約100室、医療施設、子育て支援、店舗、駐車場688台
竣工予定 2028年2月(2024年4月着工済み)

大手デベロッパー3社が地方都市の再開発に揃って参画するのは珍しく、三島駅前のポテンシャルに対する評価の高さが表れています。

再開発の詳細な棟別構成や工事進捗については、以下の当社の別記事をご覧ください。

ただし、再開発は「追い風」であって「本質」ではない

たかの

再開発は確かに大きなプラス材料ですが、大型開発は一過性のイベントです。竣工してしまえば効果は織り込み済みになる。

私が三島に本当に惚れている理由は、再開発の先にある「街の地力」のほうです。

長期保有を前提にするなら、10年で終わるイベントよりも、50年後も残っているものを見なければいけません。ここから先の理由④と理由⑤が、その話です。

理由④:歩いて楽しい街——三島がウォーカブルシティである理由

三島市の商店街に並ぶ個人経営の専門店

私が三島に投資し続ける一番の理由は、ここかもしれません。

たかの

不動産屋としてではなく、一人の住民として言わせてください。三島の魅力は、再開発でも新幹線でもなく、日常の買い物を歩いて回れるコンパクトさと、そこにある個人店の豊かさです。

チェーン店ではなく「あの店」がある街

三島の街を歩いて気づくのは、全国チェーンの看板が少ないこと。代わりに、通りのあちこちに個人経営の専門店が残っています。

  • 魚は、魚屋さんで買う。 沼津港から毎朝届く地魚が並ぶ対面販売の鮮魚店
  • 肉は、肉屋さんで買う。 好みの厚さにスライスしてもらえる昔ながらの精肉店
  • あんこは、餡子屋さんで買う。 和菓子屋ではなく、餡子そのものを売る専門店がある街
  • 豆腐は豆腐屋さん。コロッケは惣菜屋さん。パンは個人のベーカリー

アイさん

スーパーで全部揃うのに、わざわざ専門店で買うんですか?

たかの

三島の人は「あの店のあれが好き」で買い物をしています。
その店がなくなったら代わりがきかない。
こういう個人店のネットワークがあることで、街に「ここにしかない」という唯一性が生まれている。不動産の言葉で言えば、強烈な差別化要因です。

「ウォーカブルな街」と「地価が上がるエリア」は一致する

三島市の源兵衛川沿いを散策する子育て家族

不動産業界では近年、「ウォーカビリティ(歩きやすさ)」が物件価値に直結するという考え方が広まっています。

徒歩圏内に生活に必要な機能が揃っている街は、車がなくても暮らせるため、高齢者にも若い単身者にもファミリーにも選ばれやすい。

つまり買い手・借り手の裾野が広いということです。

三島は、駅を中心に半径1〜2kmの範囲に、商店街・飲食店・医療機関・公園・三嶋大社がコンパクトにまとまっています。

しかも、その中を源兵衛川の清流が貫いている

富士山の雪解け水を源流とする湧水が街中を流れ、初夏にはホタルが舞い、夏には子どもたちが水遊びをする。

買い物帰りに川沿いを歩いて帰る。そういう日常が成り立つ街は、全国を見渡してもほとんどありません。

そして重要なのは、理由②で示した距離別データを思い出してください。

地価が上昇しているエリア(駅から約1km圏・+2〜3%)は、まさに「歩いて暮らせるエリア」と一致しているということです。

三島の代替不可能な3要素

三島には代替不可能な要素が3つ重なっています。①湧水が街中を流れる水辺環境(全国的に希少) ②個人店の専門店ネットワーク(チェーン店では再現不可能) ③新幹線駅を核としたコンパクトな生活圏(車なしでも成立する都市構造)——そしてこの3要素が重なるエリアが、公示地価で+2〜3%上昇しているエリアと一致している。これは偶然ではなく、「歩いて楽しい街」が不動産価値を生んでいることの証拠です。

理由⑤:数字に出ない「地域の雰囲気」——宿場町、しゃぎり、譲り合う街


理由④で「街の地力」という言葉を使いました。ここではもう一歩踏み込みます。

私が三島に長期で張れると考えている最大の根拠は、地価でも新幹線でもハザードマップでもありません。この街に住んでいる人たちの雰囲気です。

アイさん

雰囲気で不動産を買うんかい。

たかの

数字だけで判断するなら、正直、三島より利回りの取れる街はいくらでもあります。でも私は「長期で保有して活かす」ことを前提にしているので、20年後・30年後にこの街が荒れていないかを一番気にしているんです。それを決めるのは、制度でも開発でもなく、住んでいる人です。

具体的に、3つ挙げます。外に開いていること、内が続いていること、日常の距離感。この3つが同時に成り立っている街は、そう多くありません。

宿場町の名残——外から来た人を受け入れる文化

三島は、江戸時代の東海道五十三次で11番目の宿場町「三島宿」でした。

箱根峠を西に下りて最初の宿場であり、三嶋大社の門前町。さらに、伊豆へ向かう下田街道は三嶋大社を起点としています。つまり三島は、東西の大動脈と、伊豆へ入る道の交差点にあった街です。

宿場町というのは、毎日知らない人が入ってきて、泊まって、翌朝出ていく街です。よそから来た人を警戒して閉ざしていたら、そもそも商売になりません。

たかの

三島に37年住んでいて、ここは「新しく来た人が入りやすい街」だと感じています。移住してきた方が始めた店に、地元の人がふつうに通う。町内の行事にも、去年引っ越してきた家族が普通に混ざっている。これは、意識してやっているというより、街の体質だと思うんです。

そして、この体質は不動産の話に直結します。

理由②で「移住需要が駅徒歩圏に集中している」というデータをお見せしました。ただ、需要が来ることと、その人が定着することは別の話です。地域が閉じていれば、移住してきた方は数年で離れていきます。土地は売りに出され、値が下がる。

逆に、外から来た人が定着する街では、こうなります。

  • 中古住宅・中古土地の買い手が、地元の人だけに限られない
  • 新しい店・新しい事業が生まれ、街の機能が更新され続ける
  • 「三島にゆかりはないが三島に住みたい」という層が、実需の買い手として存在し続ける

買い手の母集団が地元に限られない街は、売りたいときに売れます。長期保有を前提にするなら、これは決定的な条件です。

アイさん

昔からの街なのに、よそ者を受け入れるんかい。

たかの

ここが三島の面白いところで、「開いている街」と「伝統が続いている街」は、普通は両立しにくいんです。開かれた街は伝統が薄れやすく、伝統の濃い街は外に閉じやすい。三島はこの両方が成立している。次のしゃぎりの話が、その「続いているほう」です。

しゃぎり文化——450年続く「町内会が現役で動いている」証拠

三島には「しゃぎり」があります。

毎年8月15日から17日に行われる三嶋大祭りで、町内ごとの山車が街を巡り、笛・太鼓・鉦(かね)で囃子を奏でる。あの音です。

正式には「三島囃子」。天文年間(1532〜1554年)に三嶋明神の舞役だった幸若與惣太夫が現在に伝わる原型をつくったと伝えられ、昭和42年(1967年)に三島市の無形文化財、平成3年(1991年)に静岡県の無形民俗文化財に指定されています。

出典

三島商工会議所「三嶋大祭り|歴史」、三島市観光Web

たかの

不動産の話に祭りを持ち出すのは、遠回りに見えるかもしれません。でも私は、しゃぎりが残っているかどうかを、その町の「体力」を測る指標だと思っています。

しゃぎりは、行政が上から与えた文化ではありません。町内ごとに囃子を伝える人たちがいて、大人が子どもに笛と太鼓を教え、山車を出すために夏の前から練習が始まります。つまり、しゃぎりが続いている町には、次の3つが揃っているということです。

  1. その町に、子どもがいる
  2. その町に、子どもに教える大人がいる
  3. その町に、毎年集まって物事を決められる仕組み(町内会)が生きている

この3つが欠けると、しゃぎりは続きません。逆に言えば、しゃぎりの音が聞こえてくる町は、この3つがまだ揃っている町です。

これを不動産の言葉に翻訳すると、その町は「管理されている」ということになります。

空き家の草が伸びても誰も気にしない町と、隣が荒れていれば声をかける町とでは、20年後の街並みがまったく変わります。所有者が入れ替わっても、コミュニティが街の水準を維持してくれる。これは個々の物件のスペックでは測れない、しかし確実に資産価値に効いてくる要素です。

道を譲り合う文化——毎日の運転で分かる街の質

もう一つ、これは完全に私の実感です。

三島は、車が道を譲ります。

狭い路地で対向車と鉢合わせたとき、先にバックしてくれる。渋滞している道に脇道から出ようとすると、こちらがハザードを出す前にスペースを空けてくれる。譲られたら、軽く手を挙げて返す。

たかの

統計で示せる話ではないので、37年三島に住んでいる一人の人間の実感として聞いてください。ただ、他の街で運転してから三島に帰ってくると、はっきり違いを感じます。

これも、不動産の話につながります。

「譲り合う」というのは、目の前の相手を一度きりのすれ違いではなく「またどこかで会う人」として扱う態度です。この距離感が街全体に共有されていると、次のようなことが起きにくくなります。

  • 境界・騒音・駐車をめぐる近隣トラブル
  • 越境物(枝・塀・雨樋)の押し付け合い
  • 相続や共有名義の整理での感情的な対立

不動産の実務で最も面倒で、最も価格を下げるのは、実は建物の劣化ではなく人と人の揉め事です。境界確定に隣地の協力が得られない、共有者が話し合いに応じない。こうなると、その物件は売れません。売れても大きく値を引かれます。

譲り合う空気のある街は、この「揉め事コスト」が構造的に低い。長期保有を前提にするなら、利回り1%分よりよほど価値があると私は考えています。

「雰囲気」は資産価値にどう効くのか

地域の雰囲気の要素 不動産価値への効き方
宿場町以来、外から来た人を受け入れる 買い手の母集団が地元に限られない/移住者が定着し実需が続く
しゃぎり・町内会が機能している 街並みの水準が維持される/空き家の放置が起きにくい
大人が子どもに文化を教えている 子育て世代が定着する/実需の買い手が続く
道を譲り合う・顔が見える距離感 近隣トラブルや境界紛争のリスクが低い=売りたいときに売れる
個人店で買い物する習慣(理由④) チェーンの撤退に左右されない生活圏が残る

整理すると、こういうことです。

  • 外に開いている(宿場町の体質)= 買い手が入ってくる
  • 内が続いている(しゃぎり・町内会)= 街の水準が下がらない
  • 日常の距離感(譲り合い)= 揉め事で詰まらない

たかの

新幹線も再開発も、条件が揃えば他の街も手に入れられるものです。でも「450年続いている祭りを、町内の人たちが自分たちで回していて、しかもそこに去年引っ越してきた人が混ざれる」——この状態は、お金ではつくれません。ここが、私が三島を長期で持ちたいと思う一番の理由です。
この章の位置づけ

地域コミュニティの活発さが不動産価格にどの程度影響するかを数値で示した公的なデータは、現時点でありません。この章の内容は、公表資料で確認できる事実(三島宿・下田街道の位置づけ、三島囃子の由来と文化財指定)を除き、当社の実務経験と著者個人の実感に基づく見立てです。

理由⑥:出口戦略と私自身の投資方針

不動産投資で最も怖いのは「買ったはいいけど売れない」という流動性リスクです。三島市の土地は、この点で比較的安心できると考えています。

出口の種類 三島での見通し
実需(マイホーム売却) 30〜40代ファミリーの移住需要が駅徒歩圏で底堅い
賃貸運用→土地売却 賃貸アパート・戸建賃貸として運用後、土地として処分可能
事業用途 駅周辺の商業・医療・宿泊需要が再開発で拡大
空き家活用 古民家リノベーション・民泊・簡易宿泊施設の事例が増加中

三島市内の土地価格は坪20〜50万円台が中心で、都心と比べて取引単価が小さい。個人投資家でも手が出しやすく、万が一の撤退もしやすい。これは地方投資の隠れたメリットです。

三島市内の各エリアの土地相場については、当社の三島市加茂の土地価格相場など、地域別の分析記事も参考にしてください。

マイホームを買う方も、「出口」から考えてください

冒頭で「マイホームの購入も不動産投資です」と書きました。ここが、一番実務に効いてくる部分です。

マイホームは一生住むつもりで買うものです。それでも実際には、次のような理由で手放す可能性があります。

  • 転勤・転職
  • 親の介護、実家の相続
  • 世帯構成の変化
  • 子どもの独立後のダウンサイジング
  • 高齢期の施設入居

一つひとつは「起きるかもしれない」程度の話ですが、35年のうちにどれ一つも起きない確率は、そう高くありません。

だから私は、マイホームを検討されている方にも、投資と同じ質問をしていただきたいと考えています。

「この家を、10年後・20年後に、自分以外の誰かが買いたいと思うか」

確認項目 見るポイント 参照
土地の成り立ち もとは何だった土地か。造成の記録があるか 後述の「土地の記憶」
ハザードリスク 浸水・土砂災害・がけ条例が「なし」か 後述の災害リスクマップ
駅からの距離 三島駅から徒歩圏(おおむね1km圏)か。2.5km超は地価が下落局面 理由②
生活圏 車がなくても生活が成り立つか 理由④
地域コミュニティ 町内会が機能しているか、子どもがいるか 理由⑤
土地の形・接道 将来の建て替え・売却がしやすい形状か(個別の判断が必要です)

たかの

「自分が気に入っているから」だけで買うと、出るときに困ります。逆に、出口が確保できている家は、住んでいる間もずっと安心していられる。マイホームを投資として見ることは、夢を諦めることではなく、夢を守ることだと思っています。

実際、私はどう投資しているのか

アイさん

たかのさんは三島市内でどんな不動産を買っているんですか?

たかの

個別の物件は控えますが、方針はお伝えできます。

投資対象:土地だけでなく、建物も

私の投資対象は更地だけではありません。中古の戸建住宅や古民家も対象にしています。

三島市内には、建物としてはまだ使えるのに「古いから」「相続で困っているから」という理由で放置されている物件が少なくない。適切にリノベーションすれば賃貸にも事業にも転用できます。

理由④で語った「ウォーカブルシティ」としての三島の魅力は、新築の建売住宅ではなく、街に溶け込んだ古い建物にこそ宿っていると考えています。

絶対に譲れない条件:ハザードマップでリスクなし

投資判断で最も重視しているのは、利回りでも立地でもありません。

当社の災害リスクマップで、浸水リスク・土砂災害リスク・がけ条例の規制が「なし」であること。

これが絶対条件です。

たかの

三島市内には「値段は魅力的だけどハザードリスクがある」物件がたくさんあります。割安に見える土地には、割安な理由がある。

私は自分のお金を投じる以上、災害リスクのある物件には手を出さないと決めています。だからこそ、自分の投資判断のために災害リスクマップを開発した——と言っても過言ではありません。


参考
三島市 災害リスクマップを見る三島市 災害リスクマップ

長期で持つなら、土地の「これまで」を見る——三島・土地の記憶

ここから先は、その判断を実際にどうやって確認しているかの話です。使う地図は2つあります。

アイさん

災害リスクマップを見ればええんじゃろ?

たかの

最後に見るのがそれです。私が最初に開くのは、別の地図です。

広告に載っているのは、その土地の「今」だけです

気になる土地を見つけたとき、価格や広さ、駅からの距離は広告を見れば分かります。

しかし、そこに書かれているのは全部「今」の情報です。

では、その土地がもともとどんな場所だったかは、どこで確認するのか。もとは田畑だったのか、水がたまりやすい低地なのか、斜面を削って造られた土地なのか、谷を埋めた造成地なのか。

こうした土地の来歴は、これまで長く住んでいる方の記憶の中にありました。「昔ここは田んぼだった」「うちの前を川が流れていた」。しかし、住む人が入れ替われば、その記憶は受け継がれません。

たかの

ここが、冒頭で書いた「不動産投資=長期保有」という話に戻ってきます。長期で持つというのは、自分が見ていない時間まで引き受けることです。買う前の50年と、手放したあとの50年。50年後を考える人が、50年前を見ないのは変ですよね。

そこで当社では、三島市の約60年前の航空写真と現在の地形を同じ画面で見比べられる無料の地図三島・土地の記憶」を公開しています。

「土地の記憶」で分かる4つのこと

同じ場所・同じ縮尺で、次の4つを重ねて見られます。

見られるもの 長期保有の判断でどう使うか
1 昔と今の航空写真(1961〜1969年 ⇄ 現在) 田畑が住宅地に変わった場所、水路や川の位置の変化、埋められた谷が見える
2 自然地形 — 台地・段丘、氾濫平野、旧河道、崖・急斜面 その土地の素性。オレンジは周囲より高い地形、青は水がたまりやすい成り立ちの低地
3 造成の記録 — 切土地・盛土地 人の手で地形が変えられた場所。地盤調査結果の読み方が変わる
4 将来人口とまちの方針 — 人口推計、立地適正化計画の居住誘導区域・都市機能誘導区域 30年後、行政がどこに人と生活機能を集めようとしているか
出典

国土地理院の航空写真・地形分類(実験公開データ)、三島市 立地適正化計画(令和7年2月改定)、三島市の人口統計。当社が独自に危険度を判定したものではありません。

4番目が、長期保有では特に効きます。

たかの

20年・30年持つつもりなら、その間に道路や上下水道、医療や公共交通をどこで維持していくのか——行政の方針は無視できません。誘導区域の内か外かは「安全な土地の認定」ではありませんが、まちの重心がどこに向いているかは分かります。

災害リスクマップは「結果」、土地の記憶は「理由」

2つの地図の役割は、はっきり違います。

浸水想定区域や土砂災害警戒区域は、いまの想定を示した「結果」の地図です。

これに対して、地形分類と昔の航空写真が示すのは、その結果を生んでいる「理由」——土地の成り立ちのほうです。

水がたまりやすい低地なのか、かつて川が流れていた跡なのか、谷を埋めて造られた土地なのか。理由が分かると、次に確認すべきことが決まります。

私が土地を見る順番は、いつもこれです。

見る地図 確かめること
1 土地の記憶 地形と約60年前の姿。その土地の素性を知る
2 災害リスクマップ 浸水・土砂災害・津波の想定を確認する
3 がけ条例マップ 擁壁など、追加費用が生じる可能性を確認する
4 用途地域マップ 建てられるもの、隣に建ち得るものを確認する
5 地価マップ 相場と照らして、価格の妥当性を考える

この順番にも理由があります。

価格から入ると、価格に合わせて土地を納得してしまいます。成り立ちから入れば、価格の理由のほうが見えてきます。

私は川沿いの低地を、低地だと分かったうえで買いました

理由⑥で「ハザードリスクなしが絶対条件」と書きました。ただ、正直に補足します。

私が購入した土地のなかに、川沿いでロケーションの良い場所があります。地形分類で見れば、そこは低地です。

それでも購入しました。低地だから買わない、ではありません。低地だと分かったうえで、条件を整えて買う。その違いだと考えています。

三島の川沿いには、湧水が流れる水辺という代えのきかない環境があります(理由④)。そしてこの価値は、査定の仕組みのなかでは評価されにくい。この点は別の記事で詳しく書きました。

「低地」と「浸水想定区域」は同じではありません

地形分類の「低地」は、土地の成り立ちを示す区分です。公式の浸水想定区域に入っているかどうかは、別に確認する必要があります。低地でも想定区域に入っていない場所はあり、その逆もあります。だから順番が大事です。まず地形で素性を知り、次に公式の想定を確認する。

たかの

怖いのは、低地であること自体ではありません。知らずに買うことです。知って買えば、備え方も、価格への織り込み方も考えられます。知らずに買えば、その機会がないまま引き渡しを受けることになります。

このマップで分かるのは土地の成り立ちまでです。個別の土地の安全性・浸水深・地盤の強さや、建築規制(用途地域、建ぺい率・容積率など)、1筆ごとの境界は分かりません。購入を具体的に検討する段階では、公式情報と専門家の調査、契約前の重要事項説明で必ずご確認ください。


参考
三島・土地の記憶を見る三島市 土地の記憶マップ

使い方の詳細と、この地図をつくった思いは別記事にまとめています。

三島市のハザードマップで投資リスクを確認する

先ほどの順番で2番目、「結果」を確認する地図の話です。

理由⑥で「ハザードリスクなしが絶対条件」と書きました。では、そのリスクをどうやって確認するのか。

当社では独自の三島市災害リスクマップを開発・無料公開しています。

三島市 災害リスクマップを見る

行政のハザードマップとの違い

アイさん

市のハザードマップを見ればいいんじゃないですか?

たかの

行政のハザードマップは河川氾濫(外水氾濫)が中心です。「大雨で排水が追いつかず道路や宅地に水が溜まる」内水氾濫のリスクは十分にカバーされていません。

当社のマップでは、VIRTUAL SHIZUOKAプロジェクトの0.5mメッシュ精密標高データを使って独自の浸水シミュレーションを行っています。

たとえば、ある川沿いの道路は大雨時に水が集まるルートになっていますが、そのすぐ隣の台地上は浸水リスクゼロ——そういう差が数十メートル単位で存在します。行政のマップでは、この違いが見えません。

投資前に確認すべき3つのリスク

リスク 投資判断への影響
💧 浸水リスク 浸水深10cm以上のエリアは割安だが売却時も価格が伸びにくい。基礎高変更で軽減可能な場合も
土砂災害リスク レッドゾーンはRC造義務+重説告知で買い手が限定される。価格に対してリスクが見合わないケースが多い
がけ条例 規制範囲内は擁壁設置に数百万円の追加コスト。「土地が安い理由」がこれだったケースは多い

三島市のハザードマップによると、特に狩野川・大場川周辺の南部地域は水害リスクが高く、居住地域の約3分の1が洪水浸水想定区域または土砂災害警戒区域に該当します。

当社の別記事でこの点を詳しく分析しています。

ハザードマップの使い方

三島市 災害リスクマップ
①住所を検索 → ②地図をタップでリスク情報がポップアップ → ③画面下タブでレイヤー切り替え。「かんたん切り替え」でワンタップ表示も可能。売出中の物件情報もマップ上で同時確認できます。

三島市の不動産投資で見落とせないリスク

ポテンシャルを語った以上、リスクも具体的な数字で示します。

① 人口は2045年に約8.5万人まで減る

人口 増減
2005年(ピーク) 約112,800人
2015年 約110,800人 -2,000人
2020年 約107,500人 5年で-3,300人
2025年 約103,400人 5年で-4,100人 ⬇︎加速
2045年(推計) 約84,900人 20年で-18,500人
出典

住民基本台帳(日本人のみ)、国立社会保障・人口問題研究所 将来推計人口

直近5年の減少ペースが加速しています。 2020→2030年の10年間で、住宅購入の中心年代である30代は約1,800人減少し、75歳以上は約3,100人増加する見込みです。「待てば買い手が増える」という前提は、三島では成り立ちません。

② エリアの二極化がさらに進む

理由②で示したデータの通り、三島市では駅から約2.5kmを境に地価の上昇と下落が分かれています。この二極化は今後さらに進むと見ています。

当社が三島市内の人口を町別に2019年と2026年で比べたところ、比較できた56町のうち51町で人口が減っていました(当社集計。将来を保証するものではありません)。減っていないのは、ごく一部です。

駅前〜1km圏は再開発+移住需要で底堅い一方、3km超のバス便エリアは人口減少が支配的で回復は見込みにくい。「三島なら何でもOK」ではなく、エリア選定が投資の成否を分けます。「土地の記憶」で立地適正化計画の誘導区域を重ねて見ておくことをおすすめします。

③ 理由⑤の「雰囲気」も、永久ではない

これは、理由⑤で地域の雰囲気を評価した私自身が正直に書かなければいけないことです。

町内会やしゃぎりを維持できるかどうかは、その町に子どもと現役世代が残っているかにかかっています。人口減少が進むエリアでは、担い手が足りずに山車を出せなくなる町が出てくる可能性は否定できません。

つまり「地域の雰囲気」も、エリアによって差が広がっていく要素です。街の看板を見るのではなく、買おうとしている町を実際に歩いて確かめることをおすすめします。

④ 金利上昇リスク

2024年以降の金利上昇局面では、不動産投資全般で収益性が圧迫される可能性があります。三島に限った話ではありませんが、資金計画は保守的に見積もることをおすすめします。

まとめ:三島市の不動産投資で押さえるべきポイント

たかの

私が三島市に自分のお金を投じ続ける理由をまとめます。
理由
土地価格が東京通勤圏で割安。新幹線アクセスの価値がまだ地価に織り込まれていない
移住需要が底堅い。ただし恩恵は駅1km圏に集中(+2〜3%上昇 vs 2.5km超は下落)
261億円の駅前再開発が追い風。ただし一過性のイベント
歩いて楽しいウォーカブルシティ。水辺×個人店×コンパクト生活圏が不動産価値を生んでいる
数字に出ない地域の雰囲気。宿場町以来の「外を受け入れる体質」、450年続くしゃぎり、譲り合う空気が、街の水準と流動性を守っている
複数の出口戦略がある。ハザードリスクなしを絶対条件に投資

そして、確認の順番は「土地の記憶(成り立ち)→ 災害リスクマップ(想定)」。価格から入らない。これが私の実務です。

最後に、この記事の出発点をもう一度。

不動産投資とは、不動産を長期で保有し、活かしていくことです。そこにはマイホームの購入も含まれます。

長期で持つと決めたなら、見るべきものは利回りだけではありません。

30年後、その街に人が住み続けているか。町内会が機能しているか。夏に、しゃぎりの音が聞こえるか。外から来た人が、その音の輪に入れているか。そして——その土地は、60年前にどんな場所だったのか。

私はそこまで含めて「三島に張る」と判断しています。

たかの

ポテンシャルを正しく評価し、リスクを正しく見極める。 その両方ができたとき、三島の不動産投資は面白い選択肢になると、自分の経験から確信しています。

三島市内で災害リスクなし・駅徒歩圏の物件をお探しの方は、投資用でもマイホームでも構いません。まずは「土地の記憶」で気になる土地の成り立ちを確かめ、「災害リスクマップ」でリスクをチェックしたうえで、お気軽にご相談ください。

「この町の雰囲気はどうですか」というご質問にも、37年住んでいる人間としてお答えします。

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