三島市富士ビレッジの土地価格相場|特徴と今後の見通しを解説

三島市富士ビレッジは高台にある閑静な住宅地です。

昭和44年に宅地造成された富士ビレッジは、当時では全国唯一のカタカナの町名として話題になりました。

それから50年が経ち、世代の入れ替わりと共に、商店街からはお店が無くなってしまったものの、三島市の中でも住宅の建替えが進んでいる地域の一つです。

今回はそんな富士ビレッジの不動産売却で失敗しないために土地の価格相場と地域の特徴をまとめてみました。

さらに、過去の土地相場価格の推移や人口の増減などから今後の相場の見通しを考察していますので、不動産を売却する際の参考にしてみてください。

アイさん

実際に住んでいても土地相場は分からないもんじゃな。詳しく教えてくれ!

たかの

このページでは「三島市富士ビレッジ」の平均的な土地価格相場・過去の公示地価の推移・取引データから分かる特徴・今後の見通し確認することができます。

土地価格相場を知ることが不動産の売却で失敗を防ぐための第一歩です。

富士ビレッジの土地価格相場

2021年の静岡県三島市富士ビレッジにおける土地価格相場(平均取引価格)は坪単価22.4万円/坪(6.7万円/㎡)です。

相場

・土地価格相場 22.4万円/坪(6.7万円/㎡)

・平均土地面積 75.3坪(249.1㎡)

・平均駅距離 30分超

 

土地価格相場は1年前に比べて変動はなく(±0%)と横ばいに推移しました。

近年の三島市の土地取引では、三島駅から徒歩20分以上の徒歩圏外の土地取引が減少していることが特徴です。この影響を受け、三島駅から徒歩30分超かかる富士ビレッジでも、需要が低下し土地取引が減少しました。

また、富士ビレッジは宅地造成から50年が経ちました。当時30歳代で購入した世代が50年経ち80〜85歳になり、一斉に売却時期を迎えたことで、売出し中の土地が増加しています。

このように土地の需要に対して供給過多となったことで、土地価格相場が低調に推移したと考えられます。

MEMO

不動産の相場を把握するにあたり、チラシ広告や不動産サイトを利用して周辺で売出し中の不動産情報を調べるのは一般的な方法です。

しかし、売出し中の不動産情報は成約するまでに値下げや価格交渉を受けることがあります。つまり、売出し中の不動産情報では、最終的にいくらで成約するか分からないため誤差が大きいのです。

たとえば、1,500万円で売出し中の土地も、実際に成約したのは1,200万円だった…なんてことになれば土地価格相場は大きく変わります。

そのため、土地価格相場は国土交通省の不動産取引価格情報記載の富士ビレッジにおける過去10年取引データ17件に基づき算定しています。

取引事例から見える富士ビレッジの特徴

土地価格相場と合わせて富士ビレッジの土地取引の特徴を理解しておくことが大切です。

不動産の売却を頼むとき、不動産の専門知識を持たない一般の方にとっては、どういった理由で売却価格が決まるのかを知るすべが無いため、提示された売却価格が全てのように感じてしまいますよね。

しかし、依頼先によってその売却価格に300万円以上の開きがあるのは、不動産売却ではよくあることです。

本来なら1,500万円で売却できた土地が、1,200万円でしか売却できないことも珍しくありません。

実際に、不動産業界では一般的に「広い道路に面する土地ほど売却しやすい」とされていますが、富士ビレッジでは5.0mの比較的狭い道路に面する土地が高く売却されているという意外な結果になりました。

そこで、不動産業界で売りやすいとされる条件と富士ビレッジの土地取引の特徴を比較して理解することで、不動産会社から提示された売却価格が適切な根拠のあるものなのかを見分けることができるようになります。

まず、一般的に不動産業界では、その土地の売却しやすさ…つまり需要の大きさには5つの条件があるとされています。

  1. 駅までの時間
  2. 土地の形状
  3. 土地の大きさ
  4. 面する道路の幅
  5. 面する道路の方位

この5つの条件が、どのように売却価格に影響してくるかについては、こちらのページで詳しく解説しています。

たかの

不動産業界で売りやすいとされる5つの条件を確認したところで、過去10年の取引データから読み取れる富士ビレッジの土地取引の特徴を深掘りしていきます。

富士ビレッジにおける取引データは以下のようになります。

三島市富士ビレッジ 土地取引価格一覧
価格 坪単価 面積 形状 幅員・方位
最寄駅 駅徒歩 取引時期
600万円 12万円 160㎡ 長方形 4.0m・南東 三島駅 30分超 2021年
4,800万円 24万円 660㎡ 台形 6.4m・南東 三島駅 23分 2021年
1,600万円 27万円 190㎡ 長方形 4.0m・北東 三島駅 30分超 2021年
1,700万円 28万円 200㎡ 台形  6.8m・北西 三島駅 30分超 2020年
1,100万円 21万円 170㎡ 長方形  4.0m・南東 三島駅 30分超 2019年
4,800万円 20万円 800㎡ 長方形  4.0m・南東 三島駅 30分超 2018年
1,500万円 24万円 200㎡ 正方形  5.0m・北西 三島駅 30分超 2018年
950万円 19万円 170㎡ 長方形 4.0m・北西 三島駅 30分超 2018年
850万円 17万円 165㎡ 長方形 4.0m・北東 三島駅 30分超 2017年
1,600万円 28万円 180㎡ 正方形  5.0m・南西 三島駅 30分超 2016年
1,200万円 30万円 130㎡ 長方形 5.0m・北東 三島駅 28分 2016年
2,100万円 23万円 300㎡ 長方形 7.0m・北東 三島駅 29分 2015年
1,500万円 33万円 150㎡ 長方形 5.0m・北東 三島駅 30分超 2015年
1,500万円 28万円 175㎡ 正方形 6.0m・北東 三島駅 28分 2014年
1,900万円 23万円 270㎡ 長方形 6.0m・北東 三島駅 30分超 2013年
1,600万円 30万円 170㎡ 長方形 5.0m・南東 三島駅 30分超 2013年
1,300万円 30万円 145㎡ 正方形 4.0m・北東 三島駅 29分 2012年

駅までの時間に対する土地価格相場の傾向

不動産業界では駅に近いほど売却しやすいとされており、富士ビレッジでも同様に、三島駅に近いほど高く売却しやすいという結果となりました。

これは、三島駅から遠くなるほど標高が高くなるといった富士ビレッジの地形が影響しています。

たとえば、富士ビレッジ内でも三島駅から近いエリアと遠いエリアでは、標高差が40m(12階建のビルに相当)もありました。毎日の通勤・通学で標高差40mの坂を上るのは、大きな負担となりますね。

そのため、三島駅に近いほど標高差が少なく、利便性が向上することから、駅に近いほど高く売却しやすいという結果となっています。

土地の形状に対する土地価格相場の傾向

不動産業界では正方形や長方形の土地は、敷地を有効活用しやすいことから、不整形(旗竿地)や台形に比べ、売却しやすい土地とされています。

しかし、富士ビレッジでは長方形だけでなく台形の土地も売却しやすいという結果となりました。

このように、台形は売却しやすいという結果となっているものの、敷地を有効活用しづらいことから、決して人気と言うわけではありません。

宅地造成によりきれいに区画された住宅地である富士ビレッジは、不整形(旗竿地)や台形の土地がほとんどなく、90%以上の土地が正方形や長方形です。

実際に、過去10年取引データ17件中に台形の土地は2件しか記録にありません。

そのため、富士ビレッジにおける台形の土地相場の傾向は、一概にはまとめられませんので、不動産会社とよく相談することが大切です。

面積に対する取引価格の傾向

土地面積は広過ぎても、狭過ぎても、需要が少なくなります。

逆に、購入可能な人が多いほど、土地の需要が拡大することから、相場より高く売却しやすくなります。

富士ビレッジ 土地面積に対する取引価格の傾向
450㎡超 2
〜450㎡
〜400㎡
〜350㎡
〜300㎡ 1 1
〜250㎡
〜200㎡ 3 3 4
〜150㎡ 3
〜100㎡
〜50㎡
〜1000万円 〜1500万円 〜2000万円 〜2500万円 〜3000万円 〜4000万円 〜5000万円 〜6000万円 〜7000万円 7000万円超

富士ビレッジでは土地面積が200㎡程度(60坪)で、価格が2,000万円程度の土地取引が4件と最も多く行われています。

つまり、お客様にとって売却しやすい土地面積は200㎡程度(60坪)、購入者にとって購入しやすい価格は2,000万円程度ということが分かります。

MEMO

この表は、縦軸を土地面積・横軸を取引価格とし、1件の土地取引につき「1」と表示しています。

接面道路幅に対する土地価格相場の傾向

土地の接する道路の幅は広いほど良いとされ、通行に便利な6.0m超の道路に面している土地が人気です。

しかし、富士ビレッジは5.0m道路に面している土地が高く売却しやすく一般的な傾向とは異なる結果となりました。

高台にある富士ビレッジは、日常生活で車が必須であるため、車の駐車しやすい土地を求める傾向が強いことが影響しています。

たとえば、道路幅が6.0m超と広すぎると交通量が増えてしまいますし、逆に道路幅が4.0m以下と狭すぎても運転が難しくなりますので、どちらも駐車しづらいですよね。

そのため、富士ビレッジでは、「道路幅が広いほど高く売れる」といった不動産業界の一般的な傾向とは異なり、5.0mの道路に面している土地が売却しやすくなっています。

この特徴をさらに深掘りすると、4.0m以下の道路と5.0m道路では坪単価に8.2万円もの差があり、需要の大きさを表す5つの条件の中で最も大きい差となりました。

つまり、高台にある富士ビレッジにおいて接面道路幅は、土地価格に与える影響が大きいと言えます。

道路方位に対する土地価格相場の傾向

不動産業界では一般的に、南側道路は北側道路に比べ、日当たりが良くなることから高く売却しやすいとされています。

しかし、富士ビレッジでは、北側道路が高く売却しやすいという意外な結果となりました。

この要因として、高台の傾斜地にある富士ビレッジでは2つの地形的な理由が影響しています。

  1. 高低差があることで、南側道路に関わらず、北側道路でも日当たりを確保しやすい
  2. 南側道路では道路との高低差が生じるため、駐車場の確保に費用がかかる

 

このように、南側から北側に向かって高くなる地形であることで、本来の南側道路にあるはずのメリットが低減されているのです。

上記の写真は太陽高度の低い12月に撮影したものですが、それぞれの家に満遍なく日が当たっていことが分かると思います。

そのため、富士ビレッジでは不動産業界では一般的な「南側道路が高く売れる」といった傾向とは異なります。

つまり、地域の特徴を知らない不動産会社を選んでしまった場合、本来は高く売ることができたはずの北側道路の土地が安く売り出されてしまうことになるのです。

そのため、富士ビレッジの土地取引の特徴を理解することで、不動産会社から提示された売却価格が適切な根拠のあるものなのかを見分ける指標として下さい。

みんなの不動産売却体験談

富士ビレッジの今後の見通し

土地には売りやすいタイミングというものが存在します。

もちろん、家庭によって人生プランは異なりますから、売りやすさだけで売却時期を決められるものではありません。

子どもの成長や仕事の変化など家庭内の事情を優先することも重要です。

しかし、タイミング次第で数百万円も売却価格に差が出てしまうこともあるのです。

そのため、売却を急ぐ必要が無いのであれば、高く売るために少し待つ、というのも不動産売却で得するための有効な手段になります。

そのためには、今後の見通しから売りやすいタイミングをお客様自身で把握しておくことが大切です。

たかの

ここでは以下の3つの統計推移から富士ビレッジの今後の見通しを深掘りして行きます。
  1. 過去40年間の公示地価の推移
  2. 過去15年間の人口推移
  3. 富士ビレッジの災害リスク

なお、三島市全体的に土地相場が2030年までに下降すると言われており、その根拠とされる3つの理由のうち2つが人口推移災害リスクです。

それぞれが、土地の価格にどのように影響してくるのかについては、こちらのページで解説しています。

それでは、三島市全体と富士ビレッジの統計での違いも見比べながら、富士ビレッジの土地の売りやすいタイミングを一緒に見ていきましょう。

過去40年間の公示地価の推移

富士ビレッジの公示地価は下記の標準地において算出されています。

標準地

所在:三島市富士ビレッジ215番28  地積:199㎡

用途:住宅            建物構造:木造

供給施設:ガス・水道       接面道路:北東・6.0m

駅からの距離:三島駅・2,500m    用途地域:第一種低層住居専用地域

富士ビレッジにおける過去40年の公示地価データは以下のようになります。

富士ビレッジ 公示地価の過去の推移
㎡単価(円/㎡) 坪単価(円/坪) 前年比
1983年(昭和58年) 81,000円/㎡ 267,700円/坪
1984年(昭和59年) 83,700円/㎡ 276,600円/坪 +3.33% ⬆︎
1985年(昭和60年) 85,700円/㎡ 283,300円/坪 +2.38% ⬆︎
1986年(昭和61年) 86,000円/㎡ 284,200円/坪 +0.35% ⬆︎
1987年(昭和62年) 86,900円/㎡ 287,200円/坪 +1.04% ⬆︎
1988年(昭和63年) 88,000円/㎡ 290,900円/坪 +1.26% ⬆︎
1989年(平成元年) 109,000円/㎡ 360,300円/坪 +23.86% ⬆︎
1990年(平成2年) 152,000円/㎡ 502,400円/坪 +39.44% ⬆︎
1991年(平成3年) 165,000円/㎡ 545,400円/坪 +8.55% ⬆︎
1992年(平成4年) 165,000円/㎡ 545,400円/坪 ±0% ➡︎
1993年(平成5年) 155,000円/㎡ 512,300円/坪 -6.06% ⬇︎
1994年(平成6年) 147,000円/㎡ 485,900円/坪 -5.16% ⬇︎
1995年(平成7年) 145,000円/㎡ 479,300円/坪 -1.36% ⬇︎
1996年(平成8年) 143,000円/㎡ 472,700円/坪 -1.37% ⬇︎
1997年(平成9年) 143,000円/㎡ 472,700円/坪 ±0% ➡︎
1998年(平成10年) 139,000円/㎡ 459,500円/坪 -2.79% ⬇︎
1999年(平成11年) 134,000円/㎡ 442,900円/坪 -3.59% ⬇︎
2000年(平成12年) 128,000円/㎡ 423,100円/坪 -4.47% ⬇︎
2001年(平成13年) 125,000円/㎡ 413,200円/坪 -2.34% ⬇︎
2002年(平成14年) 122,000円/㎡ 403,300円/坪 -2.40% ⬇︎
2003年(平成15年) 119,000円/㎡ 393,300円/坪 -2.45% ⬇︎
2004年(平成16年) 111,000円/㎡ 366,900円/坪 -6.72% ⬇︎
2005年(平成17年) 101,000円/㎡ 333,800円/坪 -9.00% ⬇︎
2006年(平成18年) 95,000円/㎡ 314,000円/坪 -5.94% ⬇︎
2007年(平成19年) 92,500円/㎡ 314,000円/坪 -2.63% ⬇︎
2008年(平成20年) 92,500円/㎡ 314,000円/坪 ±0% ➡︎
2009年(平成21年) 92,000円/㎡ 304,100円/坪 ±0% ➡︎
2010年(平成22年) 91,000円/㎡ 300,800円/坪 -1.08% ⬇︎
2011年(平成23年) 91,000円/㎡ 300,800円/坪 ±0% ➡︎
2012年(平成24年) 91,000円/㎡ 300,800円/坪 ±0% ➡︎
2013年(平成25年) 91,000円/㎡ 300,800円/坪 ±0% ➡︎
2014年(平成26年) ー 円/㎡ ー 円/坪
2015年(平成27年) ー 円/㎡ ー 円/坪
2016年(平成28年) 91,500円/㎡ 302,400円/坪 +0.54% ⬆︎
2017年(平成29年) 91,000円/㎡ 300,800円/坪 -0.54% ⬇︎
2018年(平成30年) 90,500円/㎡ 299,100円/坪 -0.54% ⬇︎
2019年(令和1年) 89,800円/㎡ 296,800円/坪 -0.77% ⬇︎
2020年(令和2年) 89,000円/㎡ 294,200円/坪 -0.89% ⬇︎
2021年(令和3年) 87,800円/㎡ 290,200円/坪 -1.34% ⬇︎
2022年(令和4年) 86,900円/㎡ 287,200円/坪 -1.02% ⬇︎

富士ビレッジの公示地価は2016年に一時上昇をしたものの、大局的に見ると1993年から下降が続いています。

この要因として、高齢になると住みづらくなる富士ビレッジの3つの地域性が影響をしています。

  1. 高低差のある地形から足腰に負担が大きい
  2. バスの本数が少ない
  3. 商店街にお店が無い

この3つの地域性は、若い頃には気になりませんが、高齢になるにつれて住みづらさを感じる要因となっているのです。

特に、車を乗らなくなった高齢者にとって、バスの本数が少なかったり、地域の商店街からお店が無くなっている富士ビレッジでは、生活必需品を揃えるのも困難になってきます。

そのため、老若男女問わず需要がある地域に比べ、富士ビレッジは需要に偏りが生じていることから、公示地価が下降してきました。

この3つの地域性は、今後改善される見通しは無いことから、公示地価の下降は続いていくと考えられます。

一方で、公示地価のピーク時からの下降率を三島市と富士ビレッジで比べると富士ビレッジは下降率が少ないことが分かります。

具体的な下降率は以下の通りです。

ピーク時からの公示地価下降率
地域 1992年 2021年 下降率
三島市 1,462,000円/坪 422,800円/坪 -71.08% ⬇︎
富士ビレッジ 545,400円/坪 290,200円/坪 -46.79% ⬇︎

三島市でもバブル期から不動産投資の影響を受け公示地価が大きく上昇し、その後下降してきました。

しかし、住宅地である富士ビレッジは不動産投資とは異なり「上がっているから買う」「下がっているから売る」といった性質のものではないことから、三島市に比べ下降率が少なかったのです。

つまり、富士ビレッジは景気の動向より、家庭生活の変化によって取引が起こるため、今後を見通すうえで、口の推移に着目することがとても大切になります。

MEMO

公示地価・基準地価は、国土交通省や各都道府県が地域の標準的な土地について売り手にも買い手にもかたよらない客観的な価値を評価した1㎡あたりの価格です。

公示地価は国土交通省の不動産取引価格情報の富士ビレッジにおける過去39年の公示地価データに基づき記載しています。

過去15年間の人口推移

人口減少は日本全体の社会問題となっていますが、富士ビレッジも例外ではありません。

富士ビレッジの人口は2021年12月31日現在で1,699人ですが、2009年の1,786人をピークに減少傾向にあることが分かります。

さらに、この人口ピークから2021年までの減少率を富士ビレッジと三島市で比べると、富士ビレッジは減少率が1.07倍大きいという結果になりました。

具体的な減少率は以下の通りです。

ピーク時からの人口減少率
地域 2009年 2021年 減少率
三島市 113,472人 108,350人 -4.51% ⬇︎
富士ビレッジ 1,786人 1,699人 -4.87% ⬇︎

つまり、富士ビレッジでは三島市全体に比べ、人口が減るペースが僅かに早いということです。

そのため、三島市全体と同様に少子高齢化が一層加速して、土地を買いたい若者が減り、土地を売りたい高齢者が増えます。三島市の中でも、住宅の建替えが進んでいる富士ビレッジでも、これから土地価格相場は下降していくでしょう

MEMO

富士ビレッジの人口推移グラフは三島市の人口統計情報記載のデータに基づき作成しています。

富士ビレッジの災害リスク

土地購入者の災害への危機意識が高まりから、水害や土砂災害などの災害リスクがある地域では、土地相場価格が下降していくことが予想されます。

三島市のハザードマップによると富士ビレッジは、高台にあることから水害のリスクはありません。しかし、土砂災害リスクがあることが分かります。

特に、千枚原と徳倉に隣接した富士ビレッジの外周部の土地では、高低差が大きいことから土砂災害警戒区域等に指定されています。

このように、富士ビレッジでも災害リスクはあるものの、その範囲が一部に限定されていることから、災害リスクが土地価格相場を下降させる要因とはならないでしょう。

MEMO

土砂災害警戒区域は、生命または身体に危害が生ずる土砂災害の恐れがある区域であり、土砂災害を防止するために、警戒避難体制の整備が必要な区域です。

三島市のハザードマップについて、詳しくは三島市の公式サイトを確認下さい。

三島市全体と比較した今後の見通し

これまで見てきた3つの統計推移から、分かったのは以下の3点です。

  • 高齢になるにつれて住みづらい地域となっていることから、公示地価の下降が続いている
  • 人口は減少傾向を続け、その減少率は三島市全体に比べ1.07倍大きい
  • 土砂災害リスクがあるものの、その範囲は一部に限定されている

富士ビレッジは三島市全体に比べ人口の減少ペースこそ早いものの、災害リスクが少ないことから今後の土地価格相場の下降ペースに大きな差は生じません。

つまり、富士ビレッジの土地価格相場は、緩やかに下降していくことが予想されます。

そのため、高く売却することを優先に考えているのであれば、出来るだけ早く売却活動を開始した方が良いといえます。

特に富士ビレッジは宅地造成されてから50年が経ちました。当時30歳代で購入した世代が50年経ち80〜85歳になり、一斉に不動産の売却を考える時期に来ています。

「後ででいいや」その判断の遅さから、売りたい高齢者が増えて土地の需要が低下すると、高く売却することが難しくなるのは当然ですね。

とはいえ、これはあくまで富士ビレッジ全体の傾向からの見通しであり、当てはまらない土地もあることから、売却を始める際は富士ビレッジの特徴をしっかり理解した不動産会社に相談しましょう。

まとめ

  • 土地価格相場 20.2万円/坪(6.1万円/㎡)
  • 売却しやすい土地面積は200㎡程度(60坪)
  • 「道路幅が広いほど高く売れる」といった一般的な傾向とは異なり、5.0mの道路に面している土地が売却しやすい
  • 日当たりが悪いとされる北側道路に面する土地でも売却しやすい
  • 売却価格への影響が特に大きいのが「接面道路幅」
  • 今後、土地価格相場は緩やかに下降していくと予想される

今回は、三島市富士ビレッジの土地価格相場や特徴・今後の見通しを紹介してきました。

土地の価格は、面積・方位・土地に接する道路幅員など土地の条件によって変わることから、土地価格相場だけで正確に売却価格を計算することはできません。

正確な売却価格を知るため、最終的には不動産会社に査定をしてもらう必要があります。

しかし、富士ビレッジの特徴を知らない不動産会社を選んでしまった場合、本来は高く売ることができたはずの土地が安く売り出されてしまうことになりかねません。

そのため、富士ビレッジの特徴を理解し適切な提案をしてくれる不動産会社は、不動産の売却において重要なパートナーになります。

不動産の売却を成功させるためにも、不動産会社から提示された売却価格が適切な根拠のあるものなのかを見分け、信頼できる不動産会社を見つけることをお勧めします。

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